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横浜の帷子川はなぜ 台風による被害が少なかったのか

横浜駅 西区 南幸 帷子川

横浜駅 西区 南幸 帷子川

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横浜の帷子川はなぜ 台風による被害が少なかったのか

このコンテンツは2019年10月に発生した台風19号直後の記事です。
2020年台風の横浜被害はあまりありませんが、あの時を思い出すための記事として更新いたします。

2019年10月の台風19号、各地に甚大な被害をもたらしました。
横浜で川といえば、鶴見川・帷子川・大岡川・境川などのさまざまな規模の河川があります。
ここでは、その時の経験や感じたことから帷子川についてをお伝えいたします。

鶴見川についてのコンテンツも、あわせてご覧ください。

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横浜の帷子川はなぜ 台風による被害が少なかったのか

横浜の帷子川はなぜ 台風による被害が少なかったのか
2019年10月に上陸をした台風19号。
事前の行政の情報から帷子川沿いは浸水すると言われていた。

浸水と聞くと、私たちは2004年の横浜駅浸水を思い出します。

今回の台風は大雨・高潮を経て浸水にはならなかった。
なぜ 帷子川は台風の時 被害が少ない地域になったのか、
ここでは台風の浸水にテーマを絞り神奈川の情報をもとに分析いたします。

参考・引用元:帷子川水系河川整備計画 (平成26年12月神奈川県 県土整備局 河川下水道部河川課資料より)
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/f4i/cnt/f70089/documents/746521.pdf

帷子川は都度災害に向き合って治水をしているから

帷子川水系河川整備計画を分析をすると、帷子川は都度災害に向き合っています。
歴史は 昭和33年9月26日の大災害をもたらした狩野川台風(台風22号)に始まります。

次のデータは、資料をもとにスプレッドシートに記載したものです。

帷子川水系の主な水害 http://bit.ly/33pL0At

帷子川水系の主な水害に基づいたデーター拡大版” (新しいタブで開く)

平成16年のデータは分水路分派点下流の保土ケ谷消防署西谷出張所の値としています。

ここからわかることは、
狩野川台風の最大日雨量を超える平成16年10月の台風22号の被害戸数被害、比較をすると7%にまで減少をしています(366÷4,654)

世帯被害率というものを無理矢理な指標を積算しました。
戸数と世帯数はイコールにはなりませんし、その当時の世帯の考え方も変わります。
戸数に関して統計でデータを探してもなかったためここでは参考指標としてください。

狩野川台風:1.598% → 平成16年:0.025%
大幅に減少しています。

ここに台風(大雨など)の前後に行われた治水・施策を入れてみます。

帷子川水系の主な水害 http://bit.ly/33pL0At

地元住まいの方から聞くと「今井川地下調節池」に効果があるため安心と言っていましたが、数字に出ましたね。
今井川地下調節池の効果について[PDF]

帷子川が二級河川という意味の大切さ

台風19号の時、帷子川ではない河川では浸水の被害が出ています。
神奈川に影響のある川で大被害がでたのが多摩川

多摩川と帷子川の違いはなんでしょうか。

2009-06-13 – 投稿者自身による作品:多摩川 – Wikipedia

この等級は河川法に基づいたものです。
そして

多摩川は治水をする場合、都道府県などの自治体ではなく国土交通省管轄の出先機関。

そのため二級河川に比べ治水にかかわる施策の小回りがきかないと仮説がたてられます。

自治体の役目は住民に暮らしやすさを保証することでもあります。

帷子川は災害ごとに自治体が動き、治水施策を積極的におこなってきたのではないかと。

ましてや帷子川の川沿いには横浜駅という神奈川で重要なターミナル駅がある川。

国がよかれと思い定められた河川法、広域であるがゆえこのような差が出てしまいます

帷子川沿いは安全な地域なのかも?

天王町近くの帷子川

帷子川は旭区・保土ケ谷区・西区を流れ海に繋がっています。

西区には横浜駅というターミナル駅やみなとみらいというエリア、
保土ケ谷区は歴史と商店街のあるエリア、
旭区は自然公園に繋がるエリア。

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これからも改善しつづけるでしょうが、世紀かけて先人が知恵をだし治水で改善を続けた帷子川。

もしかしたら、帷子川沿いは安全な地域?

帷子川沿いに走っている相模鉄道、帷子川の影響で列車が止まるということをあまり聞いたことがありません。

相鉄グループ「都心とつながる(都心直通プロジェクト)」のページです。相鉄グループは、快適な暮らしをサポートする事業を通じてお客様の喜びを実現し、地域社会の豊かな発展に貢献します。
都心とつながる(都心直通プロジェクト)|未来への取り組み|相鉄グループ - 

繰り返しとなりますが、帷子川沿いの平地は安全な地域なのかもしれませんね。

まとめ:帷子川は安全な川になっている

今回は台風の浸水にテーマを絞り神奈川の情報をもとに分析。

2019年10月に上陸をした台風19号がきっかけでは2004年の横浜駅浸水を思い出しましたが、結果浸水はありませんでした。

この理由は、半世紀にかけての治水をつづけた努力の結果です。
浸水してもあきらめない、そして立ち直る。
311でも同じ。

日本人はいくつもの災害に出会っても立ち直ってきました。
立ち直るパワーのある国民です。

その努力の恩恵を受けている帷子川。
治水をしていただいた関係者に感謝するとともに
帷子川にも感謝をしたいですね。

帷子川とは

そもそも帷子川とはどんな川なのかウィキペディアを参考にご紹介いたします

帷子川本流の全域が神奈川県横浜市内を流れている。
〜中略〜
保土ケ谷区を南東に流れ、横浜駅東口を取りかこむように流れ、西区のみなとみらい地区と神奈川区のポートサイド地区にまたがる場所で横浜港に注ぐ

帷子川 – Wikipedia

横浜ではじまり、横浜で海に流れる数少ない川です。実際は旭区を源流として保土ケ谷区や西区、一部神奈川区を通る川です。

旭区若葉台団地に隣接し国道16号との間に挟まれた上川井町の警察犬訓練施設脇の畑と産業廃棄物埋め立て地に源を発し、源流から程ない場所に二重構造の人工河川として「上川井町小川アメニティ」が整備されている。
ここに湧き水のように見える排出口の開いた穴のついた岩があるが、これは人工河川用の揚水ポンプであり、自然の源泉ではない。その側にコンクリートで河岸の固められた細い本流があり、それを遡ると源泉にたどり着く。

帷子川 – Wikipedia

この川は源泉(源流)がわからないとも言われています。
この川は暴れ川とも言われ、保土ケ谷区や西区では10年くらい前まで氾濫する川として有名でした。
現在は治水され氾濫することはあまりありません。

帷子川と帷子橋を描いた浮世絵。歌川広重作 帷子川 – Wikipedia より

ここからは帷子川ってなんなのよ?をもう少し掘り下げます

帷子川の豆知識と台風19号の実況Tweet

帷子(かたびら)とは

帷子川は、横浜市旭区若葉台付近を源とし、途中で中堀川、今井川
等の支川を合流し、下流部では石崎川、新田間 川等を分合流して横浜港へ注ぐ二級河川。

つまりとても、とても複雑な街の川です。
地域は旭区・保土ケ谷区・西区にわたります。
それでは流域詳細

上流域:帷子川

旭区若葉台の大貫橋から中堀川合流点まで
川沿いが緑道になっており、ゆっくりとした都会の川の上流というイメージです。

中流域:帷子川

中堀川合流点から今井川合流点まで
主に保土ケ谷区地域で住宅地を流れます。このあたりから護岸としてブロック積護岸になっています。

下流域:帷子川

今井川合流点から河口(海)まで 西区を流れる。
ここで派川どんどん合流して河口に。合流することで水量が増えさらに高潮時は海による水量増加する場所です。

西区を流れています
ここで派川どんどん合流して河口に。
合流することで水量が増え、さらに高潮時は海による水量増加する場所です。

帷子川の派川について

忘れてはならない帷子川分水路

帷子川分水路は、帷子川中流部、横浜市旭区白根1丁目付近の分水施設で平成9年に完成しました。

国道16号下白根橋下流からトンネルに入り横浜駅西口付近の旧派新田間川に接続、帷子川本川に合流

洪水時以外通水はなく開水路区間は全川が干潮区間、首都高速三ツ沢線の下を流れます。
この分水路のおかげで帷子川は浸水しづらい安全な川となっています

ここまで記事について
参考・引用元:帷子川水系河川整備計画
(平成26年12月神奈川県 県土整備局 河川下水道部河川課資料より)
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/f4i/cnt/f70089/documents/746521.pdf

台風19号 帷子川(西区)の動画Tweet

私が都度撮影した動画Tweetをご紹介いたします。

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