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春節(旧正月)とは?歴史と横浜中華街の伝統

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横浜中華街を訪れたことがある方なら、赤いランタンがきらめき、獅子舞が街を練り歩く華やかな春節祭の光景を見たことがあるかもしれません。でも、「春節って一体何?」「なぜ旧正月と呼ばれるの?」と疑問に思ったことはありませんか?

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春節(旧正月)って、そもそも何?

春節は、中国や台湾など中華文化圏で祝われる「旧正月」のこと私たちが1月1日に祝う新暦のお正月とは別に、旧暦(太陰太陽暦)の1月1日を盛大にお祝いする伝統行事です。

旧暦は月の満ち欠けを基準にしているため、春節の日付は毎年変わります。だいたい1月下旬から2月中旬の間に訪れるんです。2026年は2月17日が春節にあたります。

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なぜ「春」の節と呼ばれるの?

「春節」という名前、不思議だと思いませんか? まだ寒い時期なのに「春」とつくのはなぜでしょう。

実は、春節は「立春」という節気と深い関係があります。
「春」という文字には暖かさと万物の成長、「立」には新たなサイクルの始まりという意味が込められています。つまり春節は、凍てつく冬が終わり、生命が再び息を吹き返す瞬間を祝う、自然への感謝と畏敬の祭りなんです。

古代中国の農業社会では、一年の豊作を祈り、自然の神々や先祖の霊に敬意を表すことが、共同体の生存に直結していました。現代の春節も、こうした「生まれ変わる自然」への期待を受け継いでいるのです。

赤い色と爆竹に込められた意味

春節といえば、真っ赤なランタンや爆竹の音が印象的ですよね。実はこれらにも、ちゃんとした理由があるんです。

春節ランタンオブジェ パビリオン01
春節ランタンオブジェ パビリオン01

伝説によると、昔々「年(ニェン)」という怪物がいて、旧正月になると村を襲っていたそうです。ところがある時、赤い色と大きな音に怯えて逃げ出したことから、赤色と爆竹が魔除けとして使われるようになったと言われています。

つまり春節の祝祭には、邪気を追い払う「魔除け」と、新しい年の幸運を招く「招福」という二つの役割があるんですね。獅子舞や龍舞も、単なるパフォーマンスではなく、神の使いとして福をもたらす存在として大切にされています。

横浜中華街で春節が盛大になったきっかけ

今では横浜の風物詩となっている春節祭ですが、実は公式イベントとして始まったのは1986年(昭和61年)のこと。意外と最近なんです。

それ以前も、個々の家庭や店舗では私的にお祝いをしていたようですが、1986年を境に、横浜中華街全体で盛大に祝うようになりました。在日中国人の伝統行事から、横浜という街の観光資源へと広がっていったんですね。

2026年には記念すべき第40回を迎えます。40年という歳月の中で、横浜中華街は伝統を守りながらも、時代に合わせて新しい試みを取り入れてきました。今年は「馬年吉祥」をテーマに、街なかでのサプライズ獅子舞や変面ショーなど、訪れた人が偶然の出会いを楽しめる仕掛けが用意されています。

獅子舞が店を巡る「採青」って?

獅子舞が店を巡る「採青」

春節祭で一番の見どころといえば、やっぱり獅子舞ではないでしょうか。特に「採青(ツァイチン)」という儀式は、ただの見世物ではなく、お店の繁栄を願う大切な伝統なんです。

「採青」とは、獅子が「青菜」を「採る」こと。中国語では「採青」と「生財(財を成す)」の発音が似ているため、獅子が店先の青菜を食べることで、そのお店に富がもたらされると考えられているんです。

お店は軒先に赤いご祝儀袋「紅包(ホンパオ)」と青菜を吊るして準備します。獅子は太鼓や銅鑼の激しいリズムに合わせて近づき、青菜と紅包をパクッとくわえます。この時の観客の歓声が、春節祭のクライマックスです!

面白いのは、獅子が街中の店舗を次々と巡回すること。大勢の見物人が獅子の後を追いかけて移動する光景は、まるで「福の道」を歩んでいるようで、観光客も思わず一緒についていってしまうんです。

春節パレードの華やかさ

街全体を舞台にした祝舞遊行(パレード)も見逃せません。華やかな皇帝の衣装を纏った一団、巨大な龍舞、優雅な中国舞踊や古箏の演奏など、まるで古代中国の宮廷儀礼を見ているようです。

特に龍舞には深い意味があります。龍が「玉(真珠)」を追いかける様子は、太陽や宇宙のエネルギーを象徴していて、万物の調和を表しているんだとか。横浜中華街では、狭い路地用の「五十節龍」から、大通り用の巨大な「百節龍」まで、場所に応じて使い分けられています。

近年は夜間のパレードも登場し、ランタンオブジェが光り輝く幻想的な演出も楽しめます。これは夜の観光需要に応えつつ、元宵節(ランタンフェスティバル)の要素を取り入れた現代的な試みです。

春節に食べる特別な料理

春節の楽しみは、イベントだけではありません。この時期限定の「吉祥メニュー」も、春節ならではの体験です。

代表的なのが「年糕(ニェンガオ)」。餅のような食べ物ですが、中国語で「年々高くなる」という意味の「年高」と発音が同じため、生活の向上や仕事の昇進を願って食べられます。横浜中華街の老舗「華正樓」では、お餅と旬野菜の炒めものとして提供されています。

もう一つが「湯圓(タンユエン)」。胡麻餡入りの白玉団子で、その丸い形が「団円(一家団欒)」や「円満」を象徴しています。温かい甘味として、家族の和合と幸福を願いながら食べるんです。

春節に食べる特別な料理

料理の名前や形に込められた願いを体内に取り込む、これも春節の「食べる儀式」なんですね。

春節のフィナーレ「元宵節燈籠祭」

横浜中華街が赤い光で彩られる特別な夜、幻想的なイルミネーションを体験しよう

約1ヶ月続く春節祭を締めくくるのが、旧暦1月15日の「元宵節(げんしょうせつ)」です。横浜中華街では、横濱媽祖廟で「元宵節燈籠祭」が執り行われます。

来訪者は自分の願い事を書き込んだ燈籠を奉納できます。書かれた言葉は光とともに天に届けられると信じられているんです。最後には獅子舞や花火が打ち上げられ、視覚的にも心に残るフィナーレとなります。

元宵節が終わると、人々は祝祭の高揚感から徐々に日常へと戻っていきます。甘い団子を食べ、願いを燈籠に託し、新しい一年の労働や生活へと向かう、そんな区切りの儀式なのです。

横浜中華街の春節は、誰でも楽しめる文化体験

横浜中華街の春節は、単なる観光イベントではありません。古代からの伝統を受け継ぎながら、現代の観光ニーズにも応えた、開かれた文化体験の場なんです。

獅子舞の採青では商売繁盛を、パレードでは歴史絵巻を、吉祥料理では家族の幸せを、そして元宵節では新しい年への願いを。それぞれの場面に込められた意味を知ると、春節祭がより深く楽しめるはずです。

1986年から40年近く続いてきた横浜中華街の春節は、伝統を守る「保存」の場であると同時に、新しい文化を生み出す「創造」の場でもあります。中華系コミュニティだけでなく、訪れるすべての人が異文化を体験し、幸福を共有できる、そんな素敵な祝祭なんです。

今年の春節、横浜中華街で赤いランタンに照らされ、獅子舞の音に包まれながら、悠久の歴史と文化に触れてみませんか?