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シウマイの崎陽軒 横浜工場見学がリニューアル
近年、注目されているのが商品の製造工程を見学できる「工場見学」。
特に、食品工場の見学は普段から馴染みのある食べ物も多いため、楽しさも倍増します。
工場によっては作り立ての商品を試食でき、子どもから大人まで楽しめる工夫がたくさん。
また、一般の方が気軽に参加できたりと人気が出るのも納得ですね。
ここでは、都筑区にある「崎陽軒横浜工場」の見どころを紹介するコンテンツです。
目次
みなさんは、横浜の定番土産と聞いてどんな商品を思い浮かべますか?
ハーバー 横濱煉瓦 シウマイ ブタまん など…
食べ物だけでもお菓子やチルド食品など、現在ではたくさんの種類があります。
その中でも、ハマっ子なら一度は食べたいことがあるのが崎陽軒の「シウマイ」です。
長年愛され続けている超ロングセラーの人気商品を数多く生み出す「崎陽軒」。
そんな崎陽軒のシウマイを製造する工場が都筑区にあるのをご存知でしょうか?
2017年に工場見学エリアの大規模な工事を行い、リニューアルオープンしました。
しかし、2020年にはコロナ禍となった影響で工場見学を長期休止していたのです。
その後、1年7か月の期間を経て2021年10月から工場見学ツアーが再開しました。
「どんなところ?」「工場見学で何が楽しめる?」「交通アクセスは?」
今回は、横浜市都筑区にある「崎陽軒 横浜工場」の見どころをお伝えします。
崎陽軒横浜工場は、横浜市都筑区川向町にあるのです。
立地としては第三京浜道路沿いの交通量の多い場所で、港北ICもすぐそばを走っています。
工場敷地内には「崎陽軒港北インター店」もありました。
現在は横浜工場ですが、竣工当時は「シウマイセンター」という名前だったそうです。
1975年(昭和50年)
崎陽軒の歩み – 崎陽軒
売上の拡大と、経営の多角化により、第三京浜道路の港北インターチェンジそばに、調理場などを有する「シウマイセンター」を竣工した。生産能力はもちろん、安定した品質の提供にも大きく寄与することとなった。
その後、2003年に当時は珍しかった工場見学を開始しました。
ちなみに、崎陽軒の製造工場は横浜と東京に1か所ずつ。
そのため、この2工場で製造されたシウマイが全国へ出荷されていることになるのです。
シウマイ弁当を購入すると、どちらの工場で製造されたか見分けられるのをご存知ですか?
見分けるためのポイントは2つあります。
1つ目は「ラッピング方法」で、横浜工場で製造されたものは紐がけとなっているのです。
2つ目は「パッケージの絵柄」で、東京工場の弁当は東京スカイツリーが描かれています。
特に、2つ目のパッケージの絵柄については、言われないと気付かないですね。
どちらも面白く、2つ購入して実際に比較してみてはいかがでしょうか。
500円で大満足!キリンビール横浜工場見学 – 横浜で暮らそう
ここからは「崎陽軒 横浜工場見学」の見どころをご紹介します。
訪れる際は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
実際に参加することで、体験できる見学内容や流れなどの詳細もあわせてお伝えします。
ツアー内容のネタバレとなるため、あらかじめご注意ください。
ちなみに、基本的に施設内は撮影OKでした。
しかし、製造ラインと映像については「撮影NG」となっているため、気を付けましょう。
まず建物内に入って、目に飛び込んでくるのはプチミュージアムショップです。
タイムスリップしたような外観は、かつての横須賀線を模したつくりとなっていました。
入口でアルコール消毒と検温を済ませ、靴を脱いで室内履きのスリッパに履き替えます。
これは、食品工場である崎陽軒がホコリやウイルスを入れない対策の一環だそうです。
受付スタッフに予約時の名前と参加人数を伝え、見学者シールとパンフレットを貰います。
これを受け取ってさらに奥へ進むと、テレビとソファーが置いてあるシアタールームが。
他の見学者が集まるまで崎陽軒キャラクターひょうちゃんの顔出しパネルで楽しめました。
崎陽軒の歴史についてですが、創業は明治時代にさかのぼります。
1908年(明治41年)
4代目横浜駅長であった久保久行は、
妻・久保コト(旧姓野並)の名で、横浜駅構内営業の許可を受けた。当時の横浜駅は現在の桜木町駅である。
主な取扱いは、牛乳やサイダーなどの飲み物、餅、寿司などであった。1915年(大正4年)
崎陽軒の歩み – 崎陽軒
鉄道網の整備によって、初代・横浜駅と平沼駅の間(高島1丁目)に横浜駅が移転し、2代目・横浜駅として開業。崎陽軒も合わせて移転した。
横浜駅での営業申請をしていた、東洋軒・東京電方通信社とともに「匿名組合崎陽軒」を設立し、駅弁の販売を開始。
1908年、初代「横浜駅」だった現在の「桜木町駅」で初めて駅弁を販売しました。
現在は馴染みある駅弁ですが、当時は駅弁文化がまだ定着していない時代だったのです。
そして、意外にも創業当時はシウマイが発売前だったため、軽食が販売されていました。
7年後となる1915年、2代目「横浜駅」で「崎陽軒」という名で駅弁の販売を開始します。
ちなみに、駅弁が初めて販売されたのは1885年の大宮駅〜宇都宮駅間だったそうです。
1928年(昭和3年)
崎陽軒の歩み – 崎陽軒
社長・野並茂吉は崎陽軒の横浜名物をつくることに。
南京街(現在の中華街)を探索し、突き出しとして提供されていた「シューマイ」に着目。
約1年の試行錯誤の結果、豚肉と干帆立貝柱を混ぜ合わせた、冷めてもおいしい「シウマイ」が完成した。
しかし、当時の横浜駅は東京駅から1駅しかなかったため、駅弁販売には不向きでした。
そのため、当時の社長・野並茂吉は駅弁以外に横浜の名物となる食べ物を考案したのです。
現在も横浜観光として人気の横浜中華街(旧:南京街)を歩き、ヒントを得ました。
それが、1口サイズの大きさがちょうど良い片手で食べられる点心「焼売」だったのです。
南京街では、当時から店頭で食べ歩きグルメも販売されていたことも理由の1つ。
ただし、温かい焼売を販売しても冷めてしまっては美味しくないため、改良を重ねます。
また「揺れる車内で食べやすい/小さい1口サイズ/冷めても美味しい」が必要でした。
試行錯誤の結果、約1年後にこの3条件が揃った「シウマイ」が完成したのです。
1934年(昭和9年)
横浜駅構内で弁当やシウマイを販売するほか、新たにレストラン事業を開始。
横浜駅東口の売り場を改造して「中華食堂」を開業した。1941年(昭和16年)
崎陽軒の歩み – 崎陽軒
1934年に開業した「中華食堂」が「株式会社崎陽軒食堂」として独立。取締役社長には野並茂吉が就任した。
1945年、横浜大空襲により、西口の営業所とともに、完成して間もない食堂は灰になった。
横浜名物としてシウマイを初めて販売したのち、横浜駅東口に「中華食堂」をオープン。
これが現在の横浜駅東口にある崎陽軒本店の先駆けとなっているのです。
しかし、1945年の横浜大空襲によって完成してすぐに倒壊してしまいました。
1950年代には、戦後の暗かった横浜に明るさを取り戻すために「シウマイ娘」が登場。
横浜駅のホームで、赤い服を着た女性たちがシウマイを車窓から売り歩いていたのです。
その後「シウマイ娘」が映画化されたことで全国的に知名度が上がり、売上も伸びました。
こうして見ると、これまで「シウマイ弁当」のパッケージが何度も変わっています。
ハマっ子の慣れ親しんだ味 崎陽軒のシウマイ弁当 – 横浜で暮らそう
その後、受付で配られたシールの色から2グループに分かれて案内となるのです。
見学コースの内容は曜日や時間帯など、その日の状況で順番が少し前後します。
途中には普段見れない歴代ポスターなどが展示され、すべてが撮影OKでした。
まず1つ目は、崎陽軒でおなじみの醤油入れ「ひょうちゃんの歴史」コーナーです。
磁器製の歴代ひょうちゃんの醤油入れが壁一面に飾られた展示は、圧巻でした。
瓢箪の形をしている理由や歴代ひょうちゃんの顔にまつわるエピソードが面白かったです。
シウマイ発売当時は小さなガラス瓶だったそうですが、戦後に現在の物になります。
漫画家の横山隆一氏が目と鼻を書いたことがきっかけで「ひょうちゃん」が誕生しました。
ここには、激レアで滅多に見れない「限定ひょうちゃん」がずらりと並んでいるのです。
鉄道会社のコラボ、銀河鉄道999メーテルのひょうちゃん、初音ミクのひょうちゃんなど…
見たことのある目が丸いタッチのひょうちゃんは「OSAMU GOODS」とのコラボでした。
よく見ると、1つ1つ違った表情をしたひょうちゃんは、見ているだけで楽しかったです。
次に、詳しいガイド付きでシウマイの製造ラインを上から見学できました。
撮影はできませんが、特に興味深かったのは黄色の掛け紙が特徴的な「シウマイ弁当」。
たくさんおかずが入っているシウマイ弁当は、どの順番で詰められているかご存知ですか?
また、掛け紙と紐を結ぶ工程は全て手作業であることも初めて知りました。
そして、シウマイ弁当のおかずに「マグロの漬け焼き」があります。
このマグロが2022年8月に入手困難となり、1週間限定で「鮭の塩焼き」に変更されました。
とても期間が短くて珍しい販売内容だったため、食べられた方はラッキーだったそう。
他にも、プロジェクターの映像を投影した解説もあり、とても分かりやすかったです。
このようなことをたくさん知ることができて、とても貴重な体験ができました。
見学ツアー中はそこまで人数が多くないため、気になることがあれば質問もできますよ。
そして最後は、お楽しみ「シウマイ試食体験」です。
エレベーターで試食フロアへ移動し、最初に目に留まるのがフォトスポットでした。
オレンジ色と緑色の車体が特徴で「かぼちゃ電車」の愛称で親しまれた115系があります。
また、かつての「シウマイ娘」マネキンと写真が撮れるほか、車両の模型裏側には座席も。
さまざまな小道具を一緒に持って、窓際から顔を出して記念写真の撮影を楽しみましょう。
シウマイ娘は、初代から現在までの制服がすべて飾られていました。
こうして見ると制服に統一感はないものの、中華風ワンポイントは変わっていません。
お待ちかね、できたてシウマイの試食ですが、メニューは時期によって変化するようです。
この日は「昔ながらのシウマイ/特製シウマイ/筍煮/横濱ひょうちゃんサブレ」でした。
試食のシウマイは、滅多に食べられないできたてを味わえてとても貴重な体験ですね。
見学ではさまざまなことを知り、シウマイへの思いと食べたい気持ちが最高潮に。
完成する姿を目の前で見た後に食べるシウマイは、今まで以上に美味しく感じられました。
シウマイは可愛いひょうちゃん小皿に乗って配られましたが、ショップで購入できますよ。
そして、醤油入れのひょうちゃんは記念に持ち帰ることができました。
見学が終了すると各自解散になるため、1階のプチミュージアムショップへ向かいます。
こちらは、工場見学の予約なしでも利用できるため、訪れてみてはいかがでしょうか。
よく見ると、駅名が「プチミュージアムショップ/きようけん/こうじょう」に。
横須賀線をイメージしたユニークなショップ店内も、車内にいる雰囲気を楽しめます。
外観から内装まで本物の電車が細かい所にも再現されているため、探してみてくださいね。
店内に入ると、一面にグッズ/食品/お弁当など崎陽軒の商品がずらりと並んでいました。
中には、冷蔵商品やここでしか手に入らないひょうちゃん限定商品まで多数あります。
奥には、ここでしか味わえない「工場できたてアツアツメニュー」がありました。
レジで食券を購入し、熱々の食べ物と引き換えて車内に見立てたシートに座って食べます。
工場見学の際は、このショップでお土産をたくさん購入して帰りましょう。
工場見学の参加は無料で、製造見学と試食を行う90分間のツアー形式となっています。
予約方法についてですが、ホームページからの完全予約制となっていました。
工場見学ツアーは、基本的に「一般予約枠」での参加受付となっています。
申し込みは、カレンダーに表示される3か月先の同日まで受付可能となっていました。
ツアーは「9:00〜/10:30〜/12:30〜/14:00〜」の1日4回開催となります。
ただし、申し込みには毎回「定員45名」という人数制限がありました。
そのため、予約枠は大人気で3か月先まですぐに満員となってしまうほどです。
工場見学の開催が「火/水/金/土」の1週間で4回のみとなっているのも理由の1つ。
「月/木/日/月末/年末年始」は休館日となっているため、ご注意ください。
このような理由から、予約できればラッキーといった感じで気軽に申し込んでみましょう。
工場見学ツアーですが、3歳以下の小さなお子様は参加できませんでました。
それでは最後に「崎陽軒 横浜工場」までの交通アクセスについてお伝えします。
アクセスは、JR線/横浜市営地下鉄ブルーライン「新横浜駅」からバスと徒歩で約15分。
バスは、駅前の北口バスターミナル5番乗り場から出ていました。
横浜市営バスで「仲町台駅行」に乗車しましょう。
6つ目の「港北インター」バス停で下車し、工場までは歩いて約5分です。
停留所を挟み、バス通りの向かいに2本の赤線が入った白い建物が見えていました。
高速道路で分かりづらいですが、横断歩道を渡ると「崎陽軒 横浜工場」に到着です。
工場敷地内には駐車場もありますが、申し込み時に予約が必要なため、ご注意ください。
そして、バスで訪れる場合は運行本数も少ないため、時刻表を確認しましょう。
新横浜駅周辺で楽しむ おすすめ観光スポット7選 – 横浜で暮らそう
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで、都筑区にある「崎陽軒 横浜工場」の見どころや見学内容をお伝えしました。
少しでも参考になれば幸いです。
施設内ではマナーを守り、スタッフの方々の指示をよく聞いて楽しく見学しましょう。
子どもから大人まで体験型で楽しく学べるのが「工場見学」の醍醐味。
食品の工場見学となれば、普段食べ慣れている商品の製造工程が間近で見られます。
特に、ハマっ子であれば必ず一度は食べたことがある「崎陽軒のシウマイ」。
身近な崎陽軒のシウマイの製造工程を楽しめるため、ワクワクすること間違いなしです。
また、歴史や商品のヒミツも知れるほか、懐かしい貴重なものまで展示されていました。
そのため、夏休みの自由研究でお困りの親御さんにも嬉しい施設ですね。
リニューアルした「崎陽軒 横浜工場」で工場見学ツアーを体験してみませんか。