ハマっ子の成長を支える横浜市の学校給食とは?
自治体として、子どもの教育や子育て支援などが充実している「横浜市」。
食を通じた子どもの健全な育成のため、学校給食は特に力を入れています。
一方、横浜市立中学校には給食がなく、独自の「ハマ弁」制度を導入していることで有名。
ここでは、横浜市公立小学校の「学校給食」を紹介するコンテンツです。
ハマっ子の成長を支える横浜市の学校給食とは?
子どもの成長期を支える上で最も重要なのは「食事」「睡眠」「運動」です。
なかでも食事は実際に食べたものがそのまま栄養となり、エネルギーとなります。
そのため、バランスの取れた食事を取ることは子どもにとってとても大切です。
そして、子どもたちが学校で最も楽しみにしていることの1つが「給食」。
給食は学校で食べますが、実際に子どもたちが何をどのくらい食べているか分かりません。
そんな中で、親御さんは「きちんと食べているのか?」など心配や不安が多いと思います。
「横浜市の公立小学校ではどんな給食が出るの?」「栄養や味は?」「給食費はいくら?」
今回は、横浜住まい20年以上のハマっ子が「横浜市の学校給食」についてお伝えします。
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横浜市 学校給食における食育目標と献立の考え方
学校給食の献立は地域によって異なるため、地元の給食トークで共感できることも。
同じ県内の学校でも市区町村によって、その日のメニューは異なる場合があります。
そもそも、日本の学校給食には「学校給食法」という法律があるのをご存知でしょうか?
横浜市の学校給食も、この「学校給食法(第2条)」に基づいて実施されているのです。
(1)適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。
横浜市の学校給食 – 横浜市
(2)日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。
(3)学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。
(4)食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
(5)食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと。
(6)我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。
(7)食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと。
そして、文部科学省では以下の「学校給食実施基準」というものが定められていました。
- 栄養バランスがとれていて、6年間を通じて楽しみや期待が持てる献立
- 食教育の教材となる献立・学校や地域の特色を生かした献立
- 自己の健康管理や望ましい食習慣の育成などの面から幅広い視点に立った献立
- 日本型の食事の良さを伝える献立
横浜市では、献立水準から以下のような給食を目指しています。
横浜市の目指す給食
横浜市の学校給食費の改定について – 横浜市
栄養価を充足させるだけでなく、様々な食材を幅広く使用します。
給食を楽しみ、おいしく味わうために、品数が多く、いろどり豊かな献立を提供します。
和食の献立を充実させ、子どもが和食に親しみ、おいしいと感じる献立を提供します。
横浜の食文化への知識を深めるメニューを開発していきます。
栄養の確保とともに、児童の嗜好、横浜らしさ、日本の食文化・伝統食等を取り入れています。
給食の献立の概要 – 横浜市
市内産野菜をはじめとする地場産品の活用を推進しています。
季節感が感じられるよう、旬の食品の使用に努めています。
日本型食生活を推進し、脂肪の摂取量を抑え、不足しがちな食物繊維・鉄分等の栄養素が確保できるよう、米飯回数や魚・野菜・豆類・海藻などの使用に配慮しています。
横浜市の給食は学校給食法の目標と食に関する指導目標をもとに、献立が決められました。
それに加え、文部科学省が定める学校給食実施基準のほか、横浜市独自の基本方針も。
これらのさまざまな内容を踏まえ、栄養士がベストな献立メニューを作成しているのです。
横浜市の給食は子どもの健全育成のため、バランス良く栄養もあることが分かりますね。
ここで、学校へ通わせている親が1番気になるのは、子どもの食事量。
給食1回で1人あたりの児童が食べるべき食事量は、学校給食法で定められているのです。
熱量(kcal)/体格/栄養素をもとに算出された「摂取基準」が目安で決まっています。
- 低学年(1〜2年生)560kcal
- 中学年(3〜4年生)660kcal
- 高学年(5〜6年生)770kcal
市内には340以上の小学校があり、児童は各学校の給食室で調理された給食を食べます。
そのため、1つの学校の給食室でも学年やクラス人数によって作られる量が異なるのです。
当日の献立は、摂取基準の盛り付け量を見本として給食室に設置しなければなりません。
児童と担任教諭は完成した給食を給食室へ取りに行く際、これを確認する必要があります。
給食当番の児童は教室に持ち帰ると、盛り付け量は中学年用の見本を参考にして配膳。
このときに量が大きく偏らないようにするため、児童と担任が一緒に確認するのです。
これにより国が定める基準量に近づける配慮が行われています。
また、配膳の見本を配置しているのは「一汁三菜」から「食育」が学べるため。
ちなみに、量が足りない児童に関してはおかわりすることもできますよ。
給食量は毎回多めに調理されているため、量が足りないという心配はありません。
横浜市 学校給食のしくみ
横浜市の学校給食は、指導目標や基本方針など細かく設けられていることが分かりました。
横浜市の献立は、専門委員で構成された「横浜市学校保健審議会」が決定しています。
給食の流れとしては、以下の通りです。
- 献立の作成
学校給食基準献立作成委員会で作成、教育委員会で決定 - 給食物資の選定
物資購入選定委員会で食材の規格基準等を検討/選定 - 給食物資の購入
(公財)よこはま学校食育財団が一括して購入 - 給食物資の納入/検収
契約業者が給食物資を学校に納入/給食調理員等が品質及び数量等を確認 - 調理給食指導
給食調理員等調理従事者が学校の給食室で調理を実施/各クラスへ配食
原則として、財団は各学校から報告された人数分(市内全校)の物資を購入するのです。
入札方式の一括で購入することにより、良質低廉な給食物資の確保が実現しています。
そのため、献立メニューは何か月も先まですでに決まっているようです。
私も横浜市の給食で育ちましたが、このように決められていることは知りませんでした。
横浜市立小学校の学校給食費はいくら?
ここまで給食について紹介した上で気になるのは、横浜市立小学校の給食費用です。
現在の給食費は、月額4,600円となっています。
そして、給食費の支払いは原則「口座振替」で、振替日5月〜翌年3月の計11回です。
ただし、学年によって給食費も異なるため、学校給食費徴収額通知書をご確認ください。
また、給食で出る牛乳がアレルギーで飲めない場合なども異なる場合があります。
ちなみに、この学校給食の運営に関わる経費の負担は学校給食法で定められています。
- 横浜市の負担額:約121億円(学校給食の施設設備費/修繕費/人件費)
- 保護者の負担額:約94億円(給食費)
給食の献立は各家庭に配布されます
横浜市の給食献立表は、毎月学校から各家庭に1部ずつ紙で配布されるのです。
ハマっ子なら、プリントが配られて「来月は何が食べれるかな?」とワクワクしたはず。
献立表にはメニューのほか、原材料などが表記してあります。
ただし、どんなメニューなのか写真がないため、ここから知ることはできません。
「どんな料理なのか」想像しているのも、給食の楽しみの1つですよね。
横浜市の給食方針は、アレルギーの原因となる食材を取り除いて調理することで対応可能。
そのため、児童にアレルギーを含む食材が使用されているときは学校に相談しましょう。
横浜市の公立中学校では給食が出ない!?
横浜市の公立中学校になると、給食が出なくなることをご存知でしょうか?
現在、横浜市内の公立中学校では学校給食が出ていません。
学校に通わせている保護者は、毎日のお弁当に頭を抱えています。
全国的にほとんどの自治体は中学校でも給食が出ており、横浜市は珍しいケース。
特に横浜市の共働き家庭は4割を占め、朝の忙しい時間に弁当を作ることが難しいのです。
そのため、2016年から学校でお弁当を注文できる「ハマ弁(横浜型配達弁当)」を導入。
横浜市は提携する業者に弁当注文をし、配達できるようにしました。
しかし、生徒からはハマ弁が「冷たくて美味しくない」という意見も出ています。
また「お弁当の注文は7日前まで」という予約制が利用しづらく、不評です。
実際のところ、ハマ弁普及率は横浜市の公立中学校全体で5%未満となっていました。
中学校に通う生徒からは「ハマ弁を食べているのは1年で数人」という話も聞いています。
このように、横浜市の公立中学校へ通うならお弁当持参は必須なのが分かりますね。
子どもの入学前に学校給食を知っておこう!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで、横浜市の「学校給食」のしくみや給食費などについてお伝えしました。
少しでも参考になれば幸いです。
横浜市の給食は、美味しく栄養バランスが取れているほか、食育も考えられていました。
そして、横浜市は公立の中学校に入学すると、学校給食が出なくなります。
ハマっ子なら、小学校で食べていた給食の思い出がたくさんあるはず。
ハマっ子歴25年のライター目線で、実際に小学生で感じた給食の思い出を記載しました。
時代や学校ごとで、コンテンツ内容も若干異なるかもしれません。
子育て世代が横浜市に住むなら、子どもと保護者にとって安心できる給食となっています。