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横浜水道の歴史を伝える西谷浄水場

横浜水道記念館

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横浜水道の歴史を伝える西谷浄水場
みなとではない横浜の隠れた名所。最寄り駅は相鉄 上星川駅 から徒歩15分にある歴史的建造物をご紹介します。
2020年7月現在はコロナにより西谷浄水場 見学は停止していますが、見学が再開したら西谷浄水場から横浜歴史を感じてみてください。

横浜水道の歴史を伝える西谷浄水場

1887(明治20)年に日本の近代水道発祥の地となった横浜。
水源となった現在の津久井町から野毛山の配水池まで鉄製の水道管が引かれ、日本で初めて水道による給水が始まりました。

その後も水の需要は増え続け、浄水場や配水池の拡張工事が1980年まで8回にわたって行われます。
西谷浄水場は、第2回の拡張工事で1915(大正4)年に完成しました。

現在、横浜市内にある浄水場は川井浄水場(旭区)、西谷浄水場(保土ヶ谷区)、小雀浄水場(戸塚区)の3か所。
その中でも西谷浄水場には、浄水施設だけでなく、水道の歴史を伝える記念館や資料館があります。

西谷浄水場には歴史的な文化財がある

西谷浄水場旧計量器室
西谷浄水場旧計量器室

西谷浄水場には大正時代の建築物が残り、配水池や濾過池の上屋6件が国の有形文化財に登録されています。
有形文化財とは、「建造物,工芸品,彫刻,書跡,典籍,古文書,考古資料,歴史資料などの有形の文化的所産で,我が国にとって歴史上,芸術上,学術上価値の高いもの」(文化庁ホームページより引用)。
文化庁の国指定文化財等データベースによると、これらの建築物は「歴史的景観に寄与するもの」として、1997年に登録されました。

西谷浄水場の最寄り駅である相鉄線上星川駅から浄水場に向かって歩いていると、途中に「メモリアルポケットパーク」という一画があります。
ここに保存されているのは、1914(大正3)年に建てられた西谷浄水場旧計量器室。
レンガ造りの壁と青い銅板葺の屋根が印象的で、明治時代や大正時代の絵に描かれている洋館を思い起こさせます。

横浜水道記念館と水道技術資料館

横浜水道記念館
横浜水道記念館

横浜水道記念館

水道記念館では、資料や映像で開港から近代水道の創設、そして現在までの歴史を紹介しています。
3階建ての記念館はフロアごとにテーマがあり、1階は「横浜の歴史は、水の歴史」、2階は「より安全な水を求めて」、3階は「暮らしの中の水を考える」。

「自慢の一つ」が、晴れた日には宮ヶ瀬ダムや東京スカイツリーが見渡せる展望室。
水道記念館があるのは、横浜のほぼ中心に位置する高台なので、横浜の街を一望できます。

1階では、共用で使われた蛇口や木製の水道など、水道創設時の様子を伝えるさまざまな資料を展示。
資料や映像で、開港から明治時代後期までのあゆみを紹介しています。

2階でおもに取り上げられているのは、水不足や水源の汚染、災害時に備えた対策。
横浜の水道の現在を紹介するミニシアターや、水道の歴史や事業に関するクイズコーナーもあります。

3階は、図書・資料コーナー。
水に関する多くの書籍や資料が所蔵されています。

水道技術資料館

名前の通り、水道の技術に関する資料を保存、展示する資料館です。
明治から現代までの水道管や装置、各種施設の模型などによって、技術の移り変わりがわかりやすく紹介されています。

※新型コロナウィルス感染防止のため、両館とも現在は臨時閉館中です。

水源から西谷浄水場、そして私たちの家へ

西谷浄水場本館
西谷浄水場本館

横浜の水は、道志川、相模湖、馬入川、企業団酒匂川(※)、企業団相模川(※)の5系統を水源としています。

このうち西谷浄水場で処理されるのは、相模湖に貯められ発電に利用された後の水。
下流の沼本ダムや津久井分水池などを経て、1日に394,000立方メートルの水が西谷浄水場に送られてきます。

浄水場に来た水は、急速ろ過方式という方法で浮遊物が取り除かれ、消毒、水質試験を経て各地の配水池、そして私たちの家に届けられます。

※企業団(神奈川県内広域水道企業団)
神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市が共同で出資、設立した企業団です。
水道水を製造して、出資者である神奈川県と各市に販売しています。

歴史と自然に触れながら水の大切さを学ぶ

敷地内に広場があり、緑が豊かな西谷浄水場。
歴史と自然に触れながら、水の大切さを学べる施設です。

子どもが小さいころ、水道記念館は一粒で二度おいしいお出かけ先でした。
夏場は記念館の前にある噴水で水遊びができたので、水遊びと記念館の見学の両方が楽しめたのです。

現在休館中なのは残念ですが、蛇口をひねれば水が出ることに感謝しながら、また浄水場に行ける日を楽しみに待ちたいと思います。

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