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横浜観光の穴場「横浜三塔」を巡ろう!

横浜三塔

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横浜観光の穴場「横浜三塔」を巡ろう!

あたたかい季節になってきました。
1年を通して国内外多くの観光客で賑わう、全国でも人気の観光地「横浜」。
これからの時期は「ゴールデンウィーク」や「夏休み」など、お出かけする機会が増えてきますね。
ここでは、横浜市内で穴場な観光スポット「横浜三塔」を紹介するコンテンツです。

横浜観光の穴場「横浜三塔」を巡ろう!

横浜には、オシャレで国際色豊かな港町のイメージがあるのではないでしょうか。
横浜観光の定番スポットと言われて、みなさんはどこを思い浮かべますか?
横浜赤レンガ倉庫 横浜中華街 山下公園 など…

横浜フラワーガーデン2021
横浜フラワーガーデン2021

定番がある一方で、あまり知られていない横浜観光の穴場スポットも多数存在します。
時代とともに多様な文化を受け入れ、変容してきた港町・横浜だからこそ歴史も豊富です。
今回は、横浜観光としては穴場ですが、歴史ある「横浜三塔」についてお伝えします。

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横浜を代表する建物「横浜三塔」とは?

横浜三塔とは、横浜市中区にそびえる3つの建物の塔を総称したものです。
横浜三塔と呼ばれるようになったきっかけは、昭和初期にさかのぼります。

横浜三塔(キング・クイーン・ジャック)

横浜三塔の愛称は、昭和初期に外国船員がトランプのカードに見立てて呼んだことが由来と言われています。

横浜三塔物語 – 神奈川県

現在は都市開発が進んだことにより、周辺の建物で見えにくくなってしまいましたが、完成当時は他に目立つ建物がありませんでした。
そのため、船員たちが航海から横浜港へ入港するための目印となっていたそうです。

横浜港の歴史(変遷図、年表)- 横浜市

横浜市中区の博物館については、別のコンテンツでもお伝えしています。
こちらもあわせてご覧ください。

横浜で博物館に行くなら中区がおすすめ – 横浜で暮らそう

神奈川県庁本庁舎「キングの塔」

横浜三塔の1つ目は、神奈川県庁本庁舎こと「キングの塔」です。
横浜市中区日本大通1丁目に位置し、みなとみらい線「日本大通り駅」から徒歩で約30秒の場所にあります。
約49mの神奈川県庁が入る建物は、1928年に建てられました。

神奈川県庁本庁舎 キングの塔

もともとは、海外からの賓客を迎え、歓迎の儀式や儀礼などを行う「旧貴賓室」や「旧議場」として使用されていました。
現在もこの2部屋は、3階にある「第3応接室/大会議場」として、竣工当時のまま利用されています。
クラシックかつ幾何学的なデザインとなっている外観は、和洋の建築様式が調和したものです。
歴史的建造物として1996年に登録有形文化財(建造物)に登録され、2019年には国指定重要文化財(建造物)にも指定されました。

6階には、神奈川県庁本庁舎の歴史や魅力をパネルや音声で解説する歴史展示室があります。
屋上にある塔屋は、五重の塔をイメージしてつくられているほか、竣工当時の屋根飾りに用いられていたテラコッタ(粘土の素焼き)が展示されています。
屋上から見える横浜港の景色は、昼と夜で違った雰囲気となり、穴場な絶景スポットです。

見学可能時間:月曜日~金曜日/8:30~17:15(休館日:土日祝/12月29日~1月3日)

横浜税関「クイーンの塔」

横浜三塔の2つ目は、横浜税関こと「クイーンの塔」です。
横浜市中区海岸通1丁目に位置し、みなとみらい線「日本大通り駅」から徒歩で約3分の場所にあります。
横浜三塔の中で最も高い約51mの横浜税関が入る建物は、1923年に建てられました。

横浜税関は、関東大震災で倒壊・焼失したため、復興事業の一環として1934年に再建され、現在の建物となっています。
2001年には、歴史的で横浜らしい景観を創り出している「横浜市認定歴史建造物」に認定されました。
イスラム風建築の美しい外観は、白い壁面と緑青色のドームがシンボルとなっています。

館内の入口には、税関イメージキャラクター「カスタム君」の大きなモニュメントが出迎えています。
1階正面で一般開放されているのは、ガラス張りとなった資料展示室「クイーンのひろば」です。
ここでは、以下のような展示内容となっています。

  1. 横浜の建築物とクイーンの塔
  2. 横浜開港と横浜税関のはじまり
  3. 歴史を飾った税関長
  4. 税関庁舎は港のシンボル
  5. 横浜港と横浜税関のあゆみ
  6. 横浜港と貿易立国・日本
  7. くらしを守る税関
  8. 社会悪は通さない(密輸の手口)
  9. 迅速通関
  10. 税関おしごと体験コーナー
  11. 知的財産
  12. ワシントン条約
  13. キッズコーナー
  14. ホンモノ・ニセモノ(クイズコーナー)

税関は、海外からの輸出入で掛かる税金(消費税など)の徴収・輸出入貨物の通関検査・保税地域の管理・密輸やテロの取り締りを国境・港・空港などで行う、国の行政機関です。
そのため、横浜税関の歴史やお仕事内容がクイズ形式で分かりやすく紹介されています。

また、各コーナーには、タブレット端末による音声ガイダンスが設置されていました。
「ホンモノ・ニセモノ」は、ブランド品の本物と偽物を当てるコーナーです。
目利き力が試される体験型の展示室は、楽しみながら学ぶことができますね。

見学可能時間:10:00~16:00 [5~10月は17:00まで](休館日:12月29日~1月3日)

横浜市開港記念会館「ジャックの塔」

横浜三塔の3つ目は、横浜市開港記念会館こと「ジャックの塔」です。
横浜市中区本町1丁目に位置し、みなとみらい線「日本大通り駅」から徒歩で約1分の場所にあります。
横浜三塔の中で最も低い約36mの横浜市中区公会堂として利用されている建物は、開港50周年を記念して1917年に建てられました。

関東大震災時に建物が全焼したものの、1927年に初期(大正時代)の建築構造を復元するとともに、再建されました。
また、1989年には国の重要文化財に認定されています。
レンガと花崗岩でできた地上2階・地下1階の建物は、東南側に時計塔・西東側に八角ドーム・西北側に角ドームという構造になっています。

もともとは、地下階がダンスホールや食堂として使用されていました。
現在はボイラー機械室となっており、一般には公開されていませんでした。
他にも、1階席と2階席で構成される、最大定員481名の講堂があります。

そして横浜市開港記念会館で1番のおすすめは、館内各所で見られるステンドグラスです。
日が差すと、色鮮やかなステンドグラスが輝き、その美しさに心惹かれます。
館内には、このような説明文の記載がありました。

開港当時の交通に関する様子を表現しています。左右それぞれ「呉越同舟」、「箱根越え」と呼ばれています。中央「鳳凰」には、横浜市の市章「ハマ菱」がデザインされています。
1923(大正12)年の関東大震災で焼失しましたが、1927(昭和2)年に、左右のステンドグラスは当初のものを尊重し、中央はデザインを変えて復旧しました。
宇野澤ステインド硝子工場が制作しましたが、オリジナルの制作者は不明です。
なお、2008(平成20)年~2009(同21)年、開港150周年記念事業の一環としてステンドグラスの修復を行いました。

ステンドグラス – 横浜市開港記念会館 説明文より

見学可能時間:10:00~16:00(休館日:第4月曜日/12月29日~1月3日)
(※休館日が祝日・休日の場合は翌日)

なお、横浜三塔の各施設は見学可能時間であれば、無料で自由に見学できます。

「横浜三塔」を一緒に見れるおすすめスポットはどこ?

ここまで、横浜三塔に関する内容をそれぞれお伝えしました。
実は、横浜三塔が一度に見れるスポットが存在するのです。
4か所すべてのスポットには、足元の目印が設置されているため、初めて訪れても安心ですね。
そこから眺めると、ベストスポットで横浜三塔を見ることができます。

まず1つ目は、横浜港を一望できる「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」です。
左からキング・ジャック・クイーンと並び、デッキにもビュースポットが描かれています。
大さん橋には「くじらのせなか」と呼ばれる屋上にビュースポットがあり、どこからでも横浜三塔が見えるようになっています。
入口近くからでも見えますが、横浜開港記念会館が36mと低いため、一番奥まで行くとよく見えました。
そのため、自分が見やすい「ベストビュースポット」を歩いて見つけるのもおすすめです。

大さん橋 三塔

次に2つ目は、横浜観光の人気スポット「横浜赤レンガ倉庫」です。
イベント広場から少し離れ、海側の開けた場所に向かって歩いていると見えてきます。
左からキング・ジャック・クイーンと並び、ビュースポットが描かれていました。
4か所の中で、すべての建物が一番キレイに見えるのが横浜赤レンガ倉庫となっています。

赤レンガ倉庫 三塔

そして3つ目は、横浜赤レンガ倉庫から新港橋を渡った「象の鼻パーク」です。
象の鼻テラスの方に向かって、ビュースポットの目印が設けられ、左からキング・ジャック・クイーンです。
ただ、高さがない場所のため、ジャックに関しては先端が少し見えるだけとなっていました。
象の鼻パークのビュースポットは、とても見づらかったため、あまりおすすめしません。

象の鼻パーク
象の鼻 三塔

最後に4つ目は、横浜三塔の1つである「神奈川県庁本庁舎前」です。
道路を挟んだ反対側の歩道のビュースポットからは、左からジャック・キング・クイーンとなっていました。
何とか横浜三塔を同時に確認できましたが、こちらも見づらいため、おすすめはしません。
しかし、秋の神奈川県庁本庁舎ではイチョウ並木が絶景となります。

神奈川県庁本庁舎

横浜三塔には、一度に見れるスポットを巡ると願いが叶うという伝説があります。
それが、ハマっ子で有名な伝説「横浜三塔物語」です。

横浜三塔を巡る物語 ~横浜三塔物語~

横浜三塔は、戦争等をくぐり抜け建ち続けてきました。いつしか船員達が航海の安全を祈り、これを目印に入港したと言われています。
この3つのスポットを1日で巡ると、願いが叶うという伝説があります。これが「横浜三塔物語」です。カップルで巡ると結ばれるという噂もあります。

横浜三塔物語 – 神奈川県

横浜三塔は、すべてが第二次世界大戦の戦禍を免れたため「縁起の良い」「ラッキーな建物」として人気になったのです。
横浜観光では気付かなかった場所で新たな発見をするのも、横浜三塔巡りの魅力です。

「横浜三塔」が舞台となったロケ地

横浜は、これまでにさまざまなドラマや映画のロケ地として使用されてきました。
今回お伝えしている横浜三塔もそれぞれ、豪華なキャストが訪れているのです。
実際に、撮影で使用された作品名と場所が以下の通りです。

  • 神奈川県庁本庁舎
    「HERO」「華麗なる一族」「正義の味方」「ラストコップ」など…
  • 横浜税関
    「特上カバチ!!」「TWO WEEKS」など…
  • 横浜開港記念会館
    「相棒14」「竜の道」など…

なかでも、木村拓哉さんは「HERO」と「華麗なる一族」の撮影で2回訪れています。
横浜三塔の外観と内装は、レトロで趣ある造りのため、撮影に利用されるのも納得ですね。
また、すべての建物内が見学可能なため、ファンの方には見逃せないポイントです。
このように、横浜三塔は数多くのドラマや映画で使われています。
あまり知られていない横浜三塔のロケ地巡りを、横浜観光として楽しんでみませんか。

横浜港 みなとみらい

【2021年版】ゴールデンウィークに行きたい!横浜観光の定番スポット – 横浜で暮らそう

歴史ある「横浜三塔」はまもなく見納め?

横浜三塔は、2021年11月末で見られなくなります。
その理由は、1917年に建てられた開港記念会館の老朽化が進んだためです。
2021年11月末で一度閉館し、2024年3月末を予定に改修工事が実施されます。

横浜市開港記念会館は、老朽化に伴う保存改修工事のため令和3年12月から令和6年3月まで休館となります。

【休館のお知らせ】令和3年12月から令和6年3月まで休館となります。 横浜市中区

横浜観光の穴場「横浜三塔」を見に行こう!

最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで、横浜観光の穴場スポット「横浜三塔」についてお伝えしました。
少しでも参考になれば幸いです。

横浜の歴史を見守ってきた「横浜三塔」は、レトロで趣ある歴史的な造りが魅力です。
あたたかくなり、横浜を観光するにはぴったりの季節となりました。
2021年11月で見納めとなる横浜観光の穴場スポット「横浜三塔」へ訪れてみませんか。

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