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横浜のゲリラ豪雨 いつが多い?

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横浜のゲリラ豪雨 いつが多い?
2021年の夏も猛暑日が続く日本。
全国的にここ数年で異常気象が続いており、特に多いのが「ゲリラ豪雨」です。
「ゲリラ豪雨」も気象の1つですが、一歩間違えれば命の危険もあります。
では、そんな「ゲリラ豪雨」の発生時期や対策について紹介するコンテンツです。

横浜のゲリラ豪雨 いつが多い?

日本は島国のため、大雨や台風などの被害に遭いやすい地形となっています。
ここ数年で、特に増加している異常気象が「ゲリラ豪雨」です。
ゲリラ豪雨は「局地的で短時間の大雨」というイメージが強いと思います。
それと同時に「一歩間違えれば命の危険もある」ということも忘れてはいけません。

台風で突風が吹く駅前と必死に傘をさす人々

横浜市内は、地域によって地形や河川までの水位などが異なります。
「横浜のゲリラ豪雨はどの時期に多く降るの?」「何を気を付けていればいいの?」
横浜に「住んでいる方」や「通勤通学で利用する方」は、こんな疑問があると思います。
しかし、普段から災害情報の確認・準備・対策ができていれば、もしもの場合でも安心です。
今回は、横浜市内で「ゲリラ豪雨」の発生時期・頻度・対策などについてお伝えします。

ゲリラ豪雨とは?

そもそも「ゲリラ豪雨」とは、どのような気象現象を指すのでしょうか。

ゲリラ豪雨 → 局地的大雨、集中豪雨など。

気象庁|予報用語

「局地的大雨」や「集中豪雨」と表記されるゲリラ豪雨も、正しくは異なる用語なのです。

種類特徴降水範囲発生しやすい時期
集中豪雨線状の降水帯が
数時間停滞することで
集中的に降る大雨
50~300km×20~50km5~6月(梅雨)
9月
ゲリラ豪雨散在する降水域で
点在するように降る大雨
20~30km四方5月
7~9月(夏)
集中豪雨・局地的大雨(ゲリラ豪雨)はなぜ発生するのか – 国土交通省

ゲリラ豪雨の発生しやすい大気としては、以下のような条件にあるときです。

  • 太平洋高気圧が弱まって湿った空気が流れ込んだとき
  • 上空の寒気が通過し大気の状態が不安定になったとき

そのため、上記の気象となる5月,7月~9月がゲリラ豪雨の発生しやすい時期なのです。
一方で、ゲリラ豪雨の雨量に関しては、明確な基準がありません。
「ゲリラ豪雨」という気象用語は、ほとんど日本国内でのみ用いられています。
そのため、世界的に「ゲリラ豪雨」という気象用語は存在しないのです。
海外では、このような短時間で局地的に降る激しいにわか雨を「スコール」と言います。

ゲリラ豪雨から身を守るには、気象庁から発表される予想雨量と「雨の強さと降り方」を逐一、確認することが大切です。
なお、普段から耳にする雨量を詳しく知りたい方は、気象庁のサイトをご確認ください。
ここでの雨量の説明は、気象知らない方でも分かりやすい表現となっています。

参考:予報用語 雨の強さと降り方 – 気象庁

【2021年最新版】横浜はどのくらいゲリラ豪雨が発生するのか?

ここからは「2021年は横浜市でどのくらいゲリラ豪雨が発生するか」をお伝えします。
ウェザーニューズは、2021年7月~9月の「ゲリラ豪雨傾向2021」を発表しました。

2021年7~9月のゲリラ豪雨は、全国でおよそ75,000回発生する予想です(※注1)。昨年はおよそ62,000回発生しており、今年の発生回数は昨年の1.2倍と、昨年より多く発生する見込みです。

ゲリラ豪雨の総発生数は昨年より多く1.2倍 ピークは8月中旬~下旬 – ウェザーニューズ
ゲリラ豪雨の総発生数は昨年より多く1.2倍 ピークは8月中旬~下旬 – ウェザーニューズ

今シーズンのゲリラ豪雨の発生ピークは、8月中旬〜下旬となる見込みです。時期別の気象条件をみていくと、7月中旬から9月はじめにかけて、日本付近は高気圧に覆われて晴れる日が多くなる予想です。ただ、本州の日本海側を中心に、高気圧の周囲をまわる湿った空気の影響を受けて、ゲリラ豪雨が発生しやすくなります。

9月上旬からは秋雨前線や台風の影響を受けて、ゲリラ豪雨の発生は減少していく見込みです。9月中旬からは移動性高気圧や低気圧・前線が日本列島付近を通過しやすくなり、ゲリラ豪雨は終息に向かいます。

ゲリラ豪雨の総発生数は昨年より多く1.2倍 ピークは8月中旬~下旬 – ウェザーニューズ
ゲリラ豪雨の総発生数は昨年より多く1.2倍 ピークは8月中旬~下旬 – ウェザーニューズ

この発表は、事前対策で意識を高めることによって被害軽減につなげる意図があります。
2021年は、日本海側を中心にゲリラ豪雨の発生回数が多くなる見込みです。
ただし、8月~9月のゲリラ豪雨は昨年の1.2倍と予想されているため、注意しましょう。

横浜市は鶴見川の水害対策も万全!

横浜市には、神奈川県と東京都を結び、東京湾へ流れる一級河川「鶴見川」があります。

鶴見川(つるみがわ)は、東京都および神奈川県を流れる川。鶴見川水系の幹川で、一級河川に指定されている。東京都町田市上小山田町の泉を源流とし、神奈川県横浜市鶴見区の河口から東京湾に注ぐ。全長42.5km、流域面積235km2、支川数は10。2005年(平成17年)4月に特定都市河川に指定された。

鶴見川 – Wikipedia

この鶴見川も「洪水対策」は、横浜市全体で実施されています。
整備が進んだのは、水はけが悪かった市内で鶴見川が何度も氾濫していたがきっかけです。

  1. 水田の低湿地帯であったこと
  2. 鶴見川の地形で鋭角に曲がる場所にあったこと
  3. 下流の低地で浸水しやすい場所にあったこと
概要被害状況
1958年「台風22号」
(狩野川台風)
港北区と鶴見区流域を中心に
約2万軒の家屋が床上浸水し、
ライフラインにも影響を及ぼしました。
1966年「台風4号」鶴見川水系を中心に82か所の堤防が決壊したことで、
死者や行方不明者なども出ました。
「暴れ川の記憶」- 国土交通省 関東地方整備局 京浜河川事務所
「暴れ川の記憶」- 国土交通省 関東地方整備局 京浜河川事務所

特に大きな氾濫だった際には、浸水や亡くなった方も出るほどだったのです。
鶴見川に近い周辺地域では、長年にわたって洪水被害に悩まされていました。
しかし、鶴見川流域にある大小4900カ所の「遊水地」や「調整池」によって、被害が激減します。
その中で特に大きいのが、新横浜にある「横浜国際総合競技場(日産スタジアム)」と「新横浜公園」の「多目的遊水地」です。

日産スタジアム
日産スタジアム

2003年から運用を開始しており、これまでにも何度か洪水を流入させています。
日産スタジアムの遊水地は、地下空間や利用していないグラウンドなどを有効活用します。
その大きさは「敷地面積:84ヘクタール/最大貯水量:394万トン」です。

洪水時は貯水場所として利用される「日産スタジアム駐車場」

日産スタジアムの多目的遊水地は、大量の水を効率良く貯める最適な場所となっています。
そして、遊水地内の水は、近くにある排水門から再び鶴見川に戻し、氾濫を防ぐのです。
2019年に発生した台風19号は、千曲川の堤防が決壊するなど東日本各地で多くの河川が氾濫、甚大な被害をもたらしました。
鶴見川も早くから警戒水位に達しましたが、浸水被害は一切ありませんでした。
これなら、大雨に伴う鶴見川周辺の氾濫被害は心配せず、安心して暮らせますね。

日産スタジアムから見える排水門

今から備えよう!ゲリラ豪雨の対策とは?

それでは、実際に「ゲリラ豪雨」が発生した場合に備えるべき対策をご紹介いたします。
「備えあれば憂いなし」
しっかりと準備をしておけば、いざという時にも安心です。
もしもの場合や身を守るための行動として、ぜひ参考にしてみてください。

ゲリラ豪雨において特に危険なのは「洪水(河川の氾濫)」と「土砂崩れ」です。
局地的なゲリラ豪雨も一定期間続けば、河川の氾濫による洪水や土砂崩れの危険が伴います。
横浜市では「ハザードマップ」というものが作成されています。
しかし、河川や山などの災害が発生する原因は異なるため、使い分ける必要があるのです。
ちなみに、横浜市のハザードマップには「洪水/土砂災害/高潮」などの種類があります。

洪水ハザードマップ(横浜市)

河川の氾濫による洪水の可能性がある場合には、横浜市の「洪水ハザードマップ」です。
このマップは、さまざまな条件から洪水の発生しやすい地域をあらかじめ予測して作成されています。
ここから「住んでいる地域」や「通勤通学で利用する地域」を確認しておきましょう。
河川の氾濫や海の高潮で浸水する可能性がある際は、土のうを利用するのも有効です。
横浜市の各自治体でも貸し出しを行っているため、事前に設置場所を調べておきましょう。

土嚢

土砂災害ハザードマップ(横浜市)

大雨による土砂災害に危険性が高まった場合は「土砂災害ハザードマップ」が役立ちます。
洪水が起こりやすい場所と、土砂災害が起こりやすい場所は異なります。
そのため、洪水ハザードマップとあわせて確認しておきましょう。
また、自宅や勤務地の周辺環境で「崖や崩れやすい斜面があるか」も必ずチェックします。

高潮ハザードマップ(横浜市)

横浜市には「高潮ハザードマップ」も存在します。
これは、東京湾にも面している「海の街 横浜」は海から影響も受けやすいために作成されました。
実際に、一部の地域では台風などで高潮の被害を受けたこともあります。
そのため、自分に関係のある地域「住まい」や「勤務地」などを確認しておきましょう。

横浜市水防災情報(横浜市)

あらかじめ備えていても、大雨の降った当日やその翌日が特に危険なのです。
そこで、参照していただきたいサイトが「横浜市水防災情報」です。
ここでは、横浜市内にある河川の水位がリアルタイムで分かります。
また、それぞれの河川に設置されているライブカメラも見れるのです。
そのため、実際に見に行くと危険な河川の状況も自宅から確認できます。

他にも、このサイトには防災メールもあるため、ぜひ登録しておきましょう。
「住んでいる地域」や「通勤通学で利用する地域」を登録しておけば地区ごとに出ている警報も確認できます。
サイト1つで色々な情報が確認できるため、台風や大雨の際は、ぜひ役立ててみてくださいね。

重ねるハザードマップ(国土交通省)

国土交通省からは「重ねるハザードマップ」というサイトが作成されています。
ここでは「洪水/土砂災害/高潮/津波」情報や、道路防災情報などを地図と写真から自由に重ねて表示できるのです。
複数の災害を確認したい際は、とても便利ですね。

スマホ 男性

神奈川県土砂災害情報ポータル(神奈川県)

他にも、神奈川県には「神奈川県土砂災害情報ポータル」というサイトがあります。
こちらは、神奈川県全体の土砂災害に関する情報が掲載されているものです。
災害は正しい情報を多く集めることが大切なため、こちらもあわせて活用しましょう。

最後に、今から実施できる1番の対策方法は、食料や防災グッズを備蓄しておくことです。
もしもの場合に備えてチェックリストで確認し、必要なものは揃えておきましょう。
用意する量としては、それぞれ人数分が望ましいです。

《災害時備蓄用品 チェックリスト》(※備蓄目安:約1週間分)

  • 飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)
  • 非常食 3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど
  • トイレットペーパー、ティッシュペーパー・マッチ、ろうそく・カセットコンロ など

《非常用持ち出しバッグ チェックリスト》

  • 食料品と飲料水(カップめん/レトルト食品/缶詰/お菓子など)
  • 貴重品(預金通帳/印鑑/現金/健康保険証など)
  • 救急用品(ばんそうこう/包帯/消毒液/常備薬など)
  • ヘルメット/防災ずきん/マスク、軍手
  • 懐中電灯/携帯ラジオ/予備電池/充電器
  • 衣類/下着/毛布/タオル
  • 洗面用具/使い捨てカイロ/ウェットティッシュ/携帯トイレ

参考:災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう!~ – 首相官邸

横浜で浸水や土砂災害の対策は? – 横浜で暮らそう

過去のデータから見る「横浜の大雨や台風による被害」について

ここまで、ゲリラ豪雨の発生時期や頻度、対策などについてお伝えしました。
予測できない自然災害も、あらゆるデータから過去の経験を活かすことは大切です。
そのため、横浜市で過去に発生した大雨や台風などで被害の大きかった事例を紹介します。
ここ数年で、特に甚大な被害が出たのは、令和最初の2019年9月です。

日付原因警報内容被害
2019年
9月3日
前線や湿った空気の影響で
西日本から東日本では
大気の状態が非常に不安定となり、
栃木県の山沿いや神奈川県などで局地的な雷雨が発生
14:15に
大雨洪水警報
を発令
(横浜市全域)
床上浸水:32件
床下浸水:24件
ーーー
計57件
2019年
9月8日~9日
(台風15号)
台風本体に発達した雨雲がかかり、
関東地方で1時間50mm以上の
非常に激しい雨を観測
1時間80mm以上の猛烈な雨を
観測した地域もあった
総雨量は市内北部の観測所で
1時間で80.5mmを記録する大雨
約2300世帯に
避難勧告
を発令
(市内9区)
床上浸水:10件
床下浸水:4件
ーーー
計14件
横浜市における令和元年9月の豪雨による浸水被害の特徴と今後の対策について – 横浜市

まずは、2019年9月3日の大雨についてです。
このときに、被害が大きく出たのは2つの影響が考えられます。
1つ目は、市内99箇所にある気象観測所のうち、多くの地点で降雨開始時から終了時までの時間が約2時間しかなく、とても短かったことです。
2つ目は、市内南部でより強い雨を観測したことです。
これは、観測所ごとの最大1時間降雨量を集計・比較すると、南部の観測所が降水量が上位10位を占め、とても多くなっていました。
一方で、北部に位置する観測所の降水量が下位10位を占めていました。
また、最大1時間降雨量を南部(100mm/h)と北部(12.5mm/h)で比較すると、87.5mm/hもの差があったのです。
このことから、とても激しい局地的な大雨が短時間で降ったことが被害が出た原因でした。

台風

また、この大雨では民家以外にも、土砂崩れなどの被害が多数出たそうです。
特に多かったのは、下水道管内の圧力が上昇し、マンホールの蓋が浮き上がったことで損傷する被害でした。
市内だけでも、54件の被害件数があったそうです。
(※台風15号の際、被害件数は4件のみでした。)

次に、2019年9月8日~9日の台風15号についてです。
市内北部の気象観測所では、最大1時間降雨量が80.5mm/hを記録する大雨となりました。
このときに被害が大きく出た理由は、市内全域で大雨となり、降雨開始時間から終了時間までが比較的長かったためです。
この影響で、市内各地で浸水・冠水・土砂崩れなどが発生し、大きな被害が出ました。
利用者の多い「横浜駅」も浸水し、当日は駅員が総出で復旧作業に当たっていたそうです。

このようなこともあり、横浜市のハザードマップは2021年に改定されました。
ゲリラ豪雨や台風によって、下水道の処理能力を大きく上回る最大級の雨が広範囲に降り続いたことを想定したマップとなっています。
ハザードマップでは、地形などの関係で深さ2m以上の浸水が想定されている場所もありました。
そのため、これを受けて横浜市はサイト上でマップを公開し、活用を呼び掛けています。
局地的で短時間で集中的に降り、発生時期や場所の予測が難しいことです。
大雨や台風の備えは、横浜市の「台風・大雨への備えについて」をご確認ください。

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横浜の帷子川はなぜ 台風による被害が少なかったのか – 横浜で暮らそう

横浜でゲリラ豪雨が発生しても安心!

最後まで読んでいただきありがとうございます。
横浜市内の「ゲリラ豪雨」発生時期・頻度・対策などについてお伝えしました。
少しでも参考になれば幸いです。

横浜市内でも、地域によって地形や河川までの水位などが異なります。
普段から災害情報の確認などの準備や対策ができていれば、もしもの場合でも安心です。
数十年前から、ゲリラ豪雨の原因は「異常気象」と言われてきました。
しかし、ゲリラ豪雨が毎年のように観測されることは、既に異常気象でないのです。
「日常的な気象になりつつある」という認識を持っておく必要があるのかもしれません。
そして、水害は「自然を相手にしている」ことを念頭に置いておくことが重要です。
一瞬の判断が命取りとなるため、身の危険を感じたら「1秒でも早く」避難しましょう。

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