この記事を読むのに必要な時間は約 14 分50秒です。
横浜 鶴見区の鶴見花月園公園ってどんなところ?
鶴見区には、かつて「東洋一の遊園地」と呼ばれた街があります。
それが、京急線「花月総持寺駅」の最寄り駅にもなっている「花月園」です。
ひと昔前までは「ギャンブルの街」というイメージが強かったと思います。
ここでは、そんな花月園に開園した「鶴見花月園公園」を紹介するコンテンツです。
目次
「花月園」は、横浜市鶴見区にある街です。
鶴見区は、市内最東端に位置する海と山に囲まれた自然豊かな場所となっています。
1920年頃、花月園には「東洋一の遊園地」と呼ばれた「花月園遊園地」がありました。
そんな「花月園遊園地」があった跡地に「鶴見花月園公園」が開園したのです。
今回は、2021年花月園にオープンした「鶴見花月園公園」を、散策しながらお伝えします。
花月園は横浜 鶴見「東洋一の遊園地」があった街 – 横浜で暮らそう
「鶴見花月園公園」は2021年11月1日、横浜市鶴見区に開園した地区公園です。
園内の総面積は4.7haを誇り、鶴見区に公園ができるのは、約40年ぶりとなっています。
鶴見区は大きな公園が少なく、現在もあるのは「県立三ッ池公園」や「入船公園」などです。
まずは、鶴見花月園公園のある場所が歩んできた歴史をお伝えいたします。
花月園には、かつて「東洋一の遊園地」と呼ばれた大型遊園地がありました。
当時は珍しかった近代的なアトラクションが多数あったことから、その名が付いたのです。
新橋の料亭花月楼の主人平岡廣高が1914年に開設し、観覧車、メリーゴーランド、豆汽車といった近代的遊具のほかにも、大山すべりやボート池、つり橋などの地形を生かした施設が人気を集めました。動物園や室内スケートリンク、大運動場まで抱えた敷地は、7万坪もあったということです。「西の宝塚、東の花月園」と称された花月園少女歌劇は、日本の子どもたちの憧れの的となりました。花月園は、ダンスホール発祥の地としても知られ、子どもだけでなく、大人も楽しめる施設として、一世を風靡しました。
花月園 – 横浜市
園内には観覧車やメリーゴーランドのほか、動物園・室内スケートリンクがありました。
その総面積は、約7万坪(約23ha)と広大だったそうです。(東京ドーム約5個分の広さ)
他にも、花月園はダンスホール発祥の地としても知られています。
花月園にあった少女歌劇は、あの宝塚とともに「西の宝塚、東の花月園」と謳われ、子どもの憧れでした。
料金は大人30銭・子ども15銭でしたが、1日楽しめることから大賑わいだったそうです。
1914年に開園した「花月園遊園地」も経営難となり、約20年で閉園してしまいました。
そして、1950年には「花月園遊園地」の跡地に「花月園競輪場」がオープンします。
しかしこちらも、60年間の営業に幕を閉じ、2010年に閉場しました。
その後、約10年間は更地となっていた跡地に鶴見花月園公園が開園したのです。
これまで、遊園地と競輪場の施設があった跡地だけにとても広大な場所となっていました。
地区公園と周辺市街地の整備改善を一体的に行うため、
鶴見花月園公園 – 横浜市
鶴見区の花月園前駅(京急本線)に近接する花月園競輪場の跡地については、平成22年3月の競輪事業の廃止を受け、神奈川県主催による検討会を設置し、その利活用に関する検討を行いました。
検討会による検討結果のとりまとめ
を踏まえ、地区公園と隣接する住宅地等との一体的な整備を推進します。
横浜市は、約4.7haの広大な公園と周辺住宅街が一体化する整備事業を進めてきました。
事業開始から約7年後となる、2021年にようやく鶴見花月園公園が完成したのです。
ここからは、園内を散策して見つけた施設や遊具などをご紹介いたします。
まず、園内を入って最初に見えてくるのが「鶴見花月園公園」のプレートと木です。
公園に来た人を迎えるように設置されているプレートは、立派なつくりとなっています。
ここの土台となっている石は、競輪場敷地内にあった景石だそうです。
そして、独特な「花月園」という字体は、花月園遊園地時代に発行されていた機関誌「花月園」の題字がモチーフになっています。
公園の利用にあたっての注意事項
・ゴミは持ち帰りましょう。
鶴見花月園公園(令和3年11月1日開園)の利用について – 横浜市
・犬のフンは飼い主が責任をもって持ち帰りましょう。
・自動車やバイクを乗り入れることはできません。
・自転車は降りて通行してください。利用時は駐輪場をご利用ください。
・ボール遊びをするときは、ほかの利用者に注意し、ボールが公園の外に飛び出さないようにしましょう。
・バーベキューはできません。
・騒音を出したり、騒ぐことは、周りの方の迷惑になります。特に早朝・夜間は注意しましょう。
・樹木や草花、公園の施設を大切にしましょう。
他にも、ロケット花火や爆竹などの大きな音の出るものは禁止となっていました。
一方で、犬などのペットは離さずリードに繋いでいれば、園内を散歩することができます。
なお、鶴見花月園公園は防災公園街区整備事業として整備された公園となっているのです。
鶴見花月園公園については、
「防災公園街区整備事業※1」によって整備を行います。※1.防災公園街区整備事業とは
鶴見花月園公園 – 横浜市
公園の整備と市街地の整備とを一体的に推進する事業です。
都市再生機構が事業主体となって、公園や住宅用地等の整備を行い、整備された公園については、横浜市が管理します。
園内には、災害用トイレ・防災パーゴラ・かまどベンチ・太陽光発電機などがありました。
そして、大きな芝生の広場である大原っぱは緊急ヘリポートになります。
災害時に役立つ防災設備が整っているため、地元民は安心して遊べる公園ですね。
横浜 鶴見ってどんな街? 暮らしやすいの? – 横浜で暮らそう
1つ目にご紹介するのは、1周400mの広大な芝生広場となっている「大原っぱ」です。
見渡すと、一面緑に囲まれており、心地良い風を感じられる場所となっています。
周囲にはベンチもあるほか、大原っぱを囲む遊歩道はランニングコースにも最適でした。
芝生広場はとても広く、リードを繋いだままですが、犬のお散歩もできておすすめです。
過ごしやすい季節になったら、ピクニックなどを楽しんでみてはいかがでしょうか。
2つ目にご紹介するのは、大原っぱを囲むように設置されている「健康器具」です。
ここには全部で12種類あり、全て大人用の健康器具となっています。
健康器具では、それぞれに書いてある使用方法をよく読んで、無理なく利用しましょう。
遊歩道でのジョギングと健康器具を組み合わせれば、良い運動になること間違いなしです。
日課にして毎日続ければ、健康維持のための体力づくりにも活用できますね。
3つ目にご紹介するのは、大原っぱから階段を上って見えてくる「ゾウさん広場」です。
アスレチックや滑り台など、幼児用から小学生の楽しめる遊具が10個以上ありました。
お子さんの年齢に合った楽しみ方ができるよう、さまざまな遊具が設置されています。
ちなみに、花月園遊園地時代もこのような遊具の設置された広場があったそうです。
そのため、3台ある「ゾウさんスライダー」は当時人気だった「大山すべり」という遊具のオマージュなんだそう…。
この滑り台は、100年以上の時を経て当時のまま蘇ったかのようにそっくりですね。
4つ目にご紹介するのは、ゾウさん広場の真横にある「東屋」です。
この場所は公園の高台にあるため、横浜港を一望できる大パノラとなっています。
そのため、横浜ランドマークタワー・横浜ベイブリッジ・鶴見つばさ橋などが見えました。
今回、撮影している景色は昼間ですが、天気の良い日になると横浜の夜景も堪能できます。
夕陽・横浜開港祭の花火・紅葉・桜など、時間や季節によって雰囲気が異なるはず…。
公園に訪れた際には、東屋から見えるお気に入りの景色を探してみてはいかがでしょうか。
なお、東屋も滑り台と同様、当時の花月園遊園地にあった望遠塔をオマージュしているそうです。
5つ目にご紹介するのは、園内入口を入ってくるとすぐに見える「多目的広場」です。
多目的広場はとても広い園内の一角にあり、防球ネットが施されていました。
障害物がないほか、地面には砂も敷き詰められており、運動しやすい広場となっています。
そのため、大原っぱで出来ない野球やサッカーなどのボールを使った練習ができますね。
多目的広場を利用する際の予約などは、特に必要ありません。
ただ、限られたスペースのため、まわりに注意して気を付けながら遊びましょう。
6つ目にご紹介するのは、遊具広場や多目的広場とは反対側にある「お花見広場」です。
ここは、大原っぱを越えた先に広がっています。
訪れたこの時期は11月だったため、一面に色彩豊かなお花が咲き誇っていませんでした。
ただ、とても広大な広場のため、春のお花見が楽しみですね。
こちらも、あたたかい季節になったら、ピクニックで訪れてみてはいかがでしょうか。
春の園内に関する情報は、随時更新してきますので、お楽しみに。
実際に園内を散策しながら、施設や遊具などをご紹介しました。
散策していた施設や遊具のそばには「鶴見花月園の記憶」の案内板があります。
これは「東洋一の遊園地」と呼ばれた「花月園遊園地」や「花月園競輪場」のあった花月園の歴史を残すものとなっていました。
当時の写真とともに、どのような施設と雰囲気だったのかなど、詳細に記載されています。
解説のある「鶴見花月園の記憶」から、今と昔の景色を照らし合わせるのも面白いですね。
案内板の写真と同じ位置に立ち「エモい」写真を撮影してみるのもいいかもしれません。
どのような場所だったのか、タイムスリップした気持ちで公園の歴史を感じてみませんか。
ちなみに、花月園遊園地時代から100年以上この場所に訪れる人々を見守る像があります。
それが、ブロンズ像の「2匹のヒツジ」です。
園内のどこかに設置されているため、宝探し感覚で散策しながら見つけてください
最後に、鶴見花月園公園までの行き方と交通アクセスについてお伝えします。
鶴見花月園公園は、電車とバスで行くことができます。
[電車で行く場合]
[バスで行く場合]
公園までの道で目印となるのは、コンビニです。
コンビニのある急斜面な坂道を道なりに進んでいくと、鶴見花月園公園が見えてきます。
「東福寺前」バス停で降りた場合も電車での行き方と同様、坂道を上れば到着です。
園内には駐輪場もあるため、自転車で来ることもできます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで、横浜市鶴見区にある「鶴見花月園公園」についてお伝えしました。
花月園遊園地や競輪場のあった歴史を経て、生まれ変わった「鶴見花月園公園」。
地元民憩いの場であるのはもちろん、災害時にも安心の公園となっていました。
また、公園が開園したことで地元民の交通アクセスにおける利便性が向上したのです。
これまで、京急線「花月総持寺駅」へはバスなどで遠回りする形となっていました。
しかし、公園が開園したため、園内を徒歩で迂回せずに通れるようになったのです。
緑が多く、子どもから大人までさまざまな楽しみ方のできる公園となっています。
また、ベビーカーなどにも嬉しいスロープやトイレなども設置されていました。
そんな横浜の景色を一望できる穴場スポット「鶴見花月園公園」へ訪れてみませんか。