こども自然公園にある田んぼ
横浜市内でも有数の広さを誇る自然公園が、二俣川駅から徒歩15分(バス便あり)、南万騎が原駅から徒歩3分にある「こども自然公園」ですが、その中に田んぼがあるのをご存じでしょうか?
この田んぼは、「NPO法人こども自然公園どろんこクラブ」で自然体験プログラムに利用されているほか、公園に隣接する万騎が原小学校と、南本宿小学校が教育水田として使用しています。
通常、小学校の教育水田というのは、せいぜいたたみ1畳分ぐらいのところで形だけ体験することが多いようですが、ここでは農家のような本格的な水田で、小学生が餅米作りを体験しています。
そして、お米を収穫したあとは、お餅つきをして収穫祭を楽しんでいます。
万騎が原小学校と南本宿小学校による教育水田
「こども自然公園」は、昭和30年代に進められた相鉄線沿線の開発の際、緑の保全を目的に、相模鉄道から寄付された23.6ヘクタールの土地を基に横浜市が隣接地を買収し、昭和43年から整備を始めた横浜市営公園です。
広大な敷地内には、大池、中池の2つの池の他、梅林、桜山、アスレチックの大型遊具がある「とりでの森」、バーベキュー広場、野球場、ちびっ子動物園、青少年野外活動センターなどがあります。
二俣川駅方面から公園に入り、大池を抜けると右手に進み、カワセミが住む中池を過ぎてすぐのところにあるのが、ハス池です。ここでは、春になるとカルガモが赤ちゃんを連れて泳いでいるかわいい姿が見られます。
そのハス池の隣りに広がるのが、教育水田です。近くには、大きな桜の木が1本あり、お花見の季節にはとても見事な花を咲かせます。そして、その先は6月に源氏ホタルが飛び交う水辺が広がっています。
こども自然公園内にあるこれらの水田は、万騎が原小学校と南本宿小学校の教育水田として活用されています。今年は新型コロナウイルス感染拡大のため使用されていませんが、両校は1年生から6年生まで、役割を分担して、6年間稲作に取り組んでいます。とは言っても、1年生はまずは見学から。土手のバッタを捕まえて遊んでいたりしますが・・・。
特に、万騎が原小学校は、校庭の端の崖を登った柵の向こうはこども自然公園という立地なので、子ども達にとっては校庭の延長のよう。今は、校庭は柵で囲われていますが、かつては柵がなかったので、子ども達は休み時間にも崖を登って遊んでしました。実は、私が小学生の頃には、崖の上に竪穴住居を作って、先生に叱られたこともありました。のどかな時代でした。
ところで、両小学校の稲作活動はとても本格的です。南本宿にある協力農家の畑で苗作りをし、苗とり、縄張り、田起こし、代掻き、田植え、田の草取り、収穫など、稲作りの一連の作業を学年毎に担当します。実は、秋になると田んぼに立てられる案山子も、小学生の手作りです。図工の時間に、高学年がグループ毎にテーマを決めて制作しています。子ども達の力作の案山子を眺めに出かけるだけでも、楽しいかもしれません。
稲作から学ぶ食育と地域交流
実は、稲作に取り組むのは、子どもだけではありません。南本宿町の農家さんが協力員として指導してくださるのですが、PTAも役割の一端を担っています。
何と、小学校にはPTA用の地下足袋も常備されていて、田んぼに入るときに貸し出してくれます。どこの小学校でも学年の始めには役員決めがあり紛糾することが多いようですが、万騎が原小学校や南本宿小学校では、稲作のお手伝いで何をするかというのも保護者の間で大きな話題になります。私は、皆がいやがる田の草取りをよくしていました。じゃんけんが弱いので・・・。
田の草取り中に何かに触れたと思ったら、ウサギほどの大きさの大きなウシガエルで、思わず腰を抜かしそうになったこともありました。そのカエルは、先生が子ども達に見せたいと小学校に連れ帰っていました。
田んぼはちょっと腰が引けるという方も、大人になってからの泥遊び!と、思えば楽しめそうです。それでも、お子様には自然体験をしてもらいたいけれど、自分は田んぼが苦手な保護者には、田んぼに入らなくてもすむ畑での作業もあります。このように保護者の方には若干負担もありますが、子どもと共通の話題ができるだけでなく、こんなに良い食育はあまりないと思います。
実は、作るのは餅米なので、子ども達は収穫後にお餅つきをして収穫祭を楽しみます。以前は、地域の高齢者に子どもたちが手作りの招待状を作り、お届けしていたのですが、最近は高齢者の数が児童数より増えてしまったことから、ご招待はなくなってしまったようです。高齢化の波は、こんな所にもあるのですね。それでも、少しずつ世代交代が進み、この地域でも最近は小学生の人数が増えてきています。
横浜で子育てをしたら、田植えも体験できる!
最近は、農業体験が観光の目玉になっている地方もたくさんありますが、万騎が原で子育てをしたら、日常生活の中でお子さんと一緒に農業体験ができます。
昔の人は「1粒のお米の中に7人の神様がいる」と子ど達に教えてお米を大切にしてきましたが、自分たちで作ったお米は格別なのでしょう。収穫祭の際には、子ども達が自慢げにお餅を持ち帰ってきたりします。こんな体験は、街中に住んでいるとなかなかできません。
街の便利さは重要なポイントだけれど、お子様に自然体験もいっぱいさせたい!と思うなら二俣川駅南側の万騎が原や南本宿町を住宅購入の候補地にしてみてはいかがでしょう?