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鶴見神社は横浜市内最古の神社

鶴見神社

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鶴見神社は横浜市内最古の神社
みなさんは「鶴見」と聞いてどんなイメージがありますか?
鶴見区は、横浜市の北東部に位置し、市内で3番目に人口が多い区となっています。
ここでは、そんな鶴見区にある神社「鶴見神社」を紹介するコンテンツです。

鶴見神社は横浜市内最古の神社

日本人の生活で、切っても切り離せないのが「神道」。
現在でも、地域によって神道が由来している伝統や祭事などが数多く行われています。
初詣 夏祭り 七五三 冠婚葬祭 など…

神社は、そんな日本独自の宗教である「神道」の神々が祀られている場所です。
今回は、横浜市鶴見区にある市内最古の神社「鶴見神社」についてお伝えします。

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鶴見神社の由緒と歴史

鶴見神社は、横浜市鶴見区に鎮座する市内最古の神社です。
その歴史は古く、1400年以上前の飛鳥時代にさかのぼります。

その創建は、推古天皇の御代(約一四〇〇年前)と伝えられています。大正九年に鶴見神社と改称しました。

昭和三十七年、境内より弥生式後期から古墳時代の土師器を中心として鎌倉期に及ぶ多数の祭祀遺物(祭りに使用された道具)が発見され、推古朝以前より神聖な場所として、すでに祭祀が行われていたことともに、横浜・川崎間最古の社であることが立証されました。

「由緒」鶴見神社の歴史 – 鶴見神社

日本初の女性天皇である、推古天皇の頃に創建されたそうです。
古くは「杉山神社(杉山大明神)」でしたが、1920年に社名を「鶴見神社」と改めました。

鶴見神社はこれまでに、火事による社殿の焼失・鉄道開通による接収など、さまざまな苦難を乗り越えて現在の姿に至っています。

明治 4年(1871)
この年を最後に平安時代から伝わる田祭りが県の令により廃絶となる

明治 5年(1872)
新橋・横浜間鉄道開通・鶴見駅開業/境内地西半分が鉄道用地として接収される

明治33年(1900)
1/11 汽車の火の粉で社殿焼失

「略年表」鶴見神社の歴史 – 鶴見神社

以前は、境内の敷地面積が5000坪以上もあった鶴見神社の鳥居には歴史を感じました。
それでは、鳥居を抜けて境内の見どころについて詳しくご紹介いたします。
まずは、向かって右側の手水舎です。

創建は鎌倉時代と歴史のある鶴見神社の手水舎は、なんと自動水栓となっていました。
龍の口へ手をかざすと、水が出てくるようになっています。
歴史のある神社で現代的な設備は、あまり見かけることがないため、とても驚きました。

次に、境内を進むと見えてくるのは、対になった大きな岩です。
神社で見る狛犬がゴツゴツした岩の上には狛犬が鎮座していました。
その光景は珍しく、境内では迫力ある厳かな雰囲気が広がっています。

そして、岩石を進んだ右側には、重厚感ただよう黒い屋根が立派な宝物殿があります。
ここには、宝物殿のほかに「横浜市指定史跡」の「鶴見神社境内貝塚」もあるのです。

古墳時代(300年代)
神社西側付近に稲作りのムラが作られた。ムラ人たちは、たくさんの土器を作り、使って、前面の海でとった貝を食べて貝塚を残した

「略年表」鶴見神社の歴史 – 鶴見神社

この貝塚は、1700年以上前の古墳時代に作られた貝塚です。
そのため、鶴見神社よりも歴史が長いことになります。
実際の貝塚は見れませんが、このような史跡が残っていることに歴史を感じますね。

そして、貝塚から拝殿の右奥をまっすぐ進むと、境内末社がずらっと一列に並んでいます。
この鶴見神社は、境内末社があることでも有名です。
そこには、稲荷社・大鳥神社・秋葉神社・関神社・祖霊社・清明宮などの神社がありました。

ちなみに、清明宮は小説家・三島由紀夫氏が祀られているのです。
「神社へ参拝したいけれど足を運ぶのが大変…」「ご時世的に遠出するのはちょっと…」
という方は、このような境内末社で参拝してみるのも良いかもしれません。

拝殿の右側にある境内末社を奥に進むと、浅間神社が見えてきます。
急な階段を上り、浅間神社の鳥居をくぐると小さな境内となっていました。
鶴見神社の境内にある浅間神社は、1872年(明治時代)に現在の場所へ鎮座したそうです。

浅間社

昔、現JR線路の上に三千五百坪の山(古墳)があり、鉄道開通にあたり山が接収され現在の場所に鎮座した。

「浅間社」浅間神社 案内板より

そして、右側手前には、ひっそりとカエルの石像と説明書きのある案内板がありました。

「蛙」

昔から富士山に祀られている。
参拝者が蛙の頭を撫でて帰ると無事に「帰る」という言い伝えがある。

「蛙」浅間神社 案内板より

鶴見神社に参拝へ行ったら足を運んび、ぜひともカエルの頭を撫でてみてくださいね。
他にも、神社裏には「鶴見神社公園」という公園もあります。
ブランコとおうちのようなアスレチックが設置されていましたが、少し寂しい感じでした。

鶴見神社の神様とご利益について

ここからは、鶴見神社で祀られている神様とご利益についてお伝えします。
鶴見神社の本殿は、杉山大明神と天王宮の二社相殿なのです。
御祭神は、須佐之男命(すさのうのみこと)と御子である五十猛命(いそたけるのみこと)となっています。
古事記にも登場する須佐之男命は「牛頭天王」としても知られているのです。
そのため「安全守護/厄除け/病魔退散/病気平癒」などのご利益があります。

また、日本書紀に登場する五十猛命は「こだね(木種)の神」と呼ばれているのです。
こだねの神は、林業・建設業・造船業を守護する「木の守り神」とされています。
他にも、木は生命の源でもあることに由来して、子供や成長の守護神でもあるのです。

そのため、ご利益は「安全守護(森の安全)/成長祈願/安産祈願/子宝祈願」となっています。
これ以外にも「合格祈願/学業成就」など多方面にわたるご利益があるのです。
境内左側の絵馬掛けには、たくさんの合格祈願が書かれた絵馬がありました。

一方の浅間神社は、御祭神が木花開邪媛命(このはさくやひめのみこと)です。
「火難の神」として知られ、富士山にも祀られている美神がここにも祀られていました。

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鶴見神社で御朱印は頂ける?

鶴見神社では、ここ数年で人気を集めている「御朱印」も頂けます。
御朱印は、境内入って左手前側の社務所で受け付けていました。(初穂料:300円)
書き置きの御朱印は、別紙での授与となっています。
御朱印は、右下に「鶴見の田祭り」と弓矢を射る男性が捺印されているデザインでした。

「御守り・授与品」鶴見神社のご紹介 – 鶴見神社

なお、受け付け時間は9:00~16:00と短くなっているため、あらかじめ確認しましょう。
参拝と一緒に、御朱印もあわせて頂いてみてはいかがでしょうか。

鎌倉時代から伝わる民俗芸能「鶴見の田祭り」について

鶴見神社でもっとも有名なのは「鶴見の田祭り」です。
「鶴見の田祭り」は、鎌倉時代から伝わる横浜最古の民俗芸能となっています。

明治 4年(1871)
この年を最後に平安時代から伝わる田祭りが県の令により廃絶となる

昭和 61年(1986)
明治4年廃絶の田祭りを115年ぶりに再興、鶴見田祭り保存会設立

平成29年(2017)11月
鶴見の田祭りが横浜市地域無形民俗文化財に登録される

「略年表」鶴見神社の歴史 – 鶴見神社

県令によって明治時代で一度は廃絶となった田祭りですが、1986年に再興しました。
その際に、鎌倉時代からの長い歴史を持つ「鶴見の田祭り」を後世へ残すため、保存会まで設立されたのです。
このような歴史が認められ、2017年には「横浜市地域無形民俗文化財」へ登録されました。

田祭りは、年のはじめに稲作の過程を模擬的に演じ、その年の豊作を祈願する予祝行事です。鶴見の田祭りは、毎年四月二十九日に鶴見神社(旧杉山大明神)境内で、「神寿歌」に合わせて、鍬入れから苗代の田打ち、種まき、鳥追い、代搔き、苗取り、田植え、稲刈りまでの一連の農作業と豊年の祝いを
演じられています。

横浜市地域無形民俗文化財「鶴見の田祭り」案内板より

そもそも「田祭り」は、五穀豊穣を祈り、1年の稲作の所作を行う伝統行事(神事)です。
春の鍬入れから秋の収穫までの所作を行うことで、豊作を祈願します。
おもに、西日本を中心とした関東までの地域へ伝わった民俗芸能です。
鶴見神社の田祭りは、4月29日に毎年開催されています。
このとき、地域全体で神輿や屋台が出店するお祭りも一緒に開催されるため、賑やかなお祭りとなっています。

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鶴見神社への行き方は?アクセスについて

最後に、鶴見神社までの行き方と交通アクセスについてお伝えします。
鶴見神社は、電車/バス/車で行くことができます。

[電車で行く場合]

  • JR線「鶴見駅(東口)」から徒歩5分
  • 京急線「京急鶴見駅」から徒歩7分

駅からの行き方は、旧東海道沿いをまっすぐ進みます。
しばらく進むと二手に分かれている道が出てくるため、左側へ進むと神社が見えてきます。

[バスで行く場合]

  • 横浜市営バス「鶴見神社前」で下車(徒歩1分)
  • 横浜市営バス「鶴見駅前」で下車(徒歩5分)

「鶴見神社前」バス停で降りた場合は、区役所前通りではなく、駅方面へ進みます。
一本入った路地からまっすぐ行くと、すぐに見えてきます。
境内には入って左側に駐車スペースはありますが、駐車台数に限りがあります。
また、初詣になると参拝客で混雑するため、公共交通機関の参拝がおすすめです。

区役所通り

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週末は横浜市内最古の神社「鶴見神社」へ行こう!

最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで、横浜市鶴見区にある横浜市内最古の神社「鶴見神社」についてお伝えしました。
鶴見区民20年以上の私ですが、これまで鶴見神社の存在を知りませんでした。

鶴見神社は、初詣や田祭りなど年間を通して地域の方々が集まり、賑わう場所です。
また、境内は広くないものの、長い歴史があるため、たくさんの見どころがあります。
そんな「鶴見神社」へ訪れ、1400年の歴史を感じながら参拝してみませんか。

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