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生麦「杉山神社」は横浜で初詣の穴場スポット

生麦杉山神社

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生麦「杉山神社」は横浜で初詣の穴場スポット
みなさんは「生麦」と聞いてどんなイメージがありますか?
生麦は、横浜市の北東部に位置する市内で3番目に人口が多い「鶴見区」の街です。
生麦といえば、1862年に薩英戦争のきっかけとなる歴史的事件「生麦事件」が起こりました。
ここでは、そんな鶴見区の生麦「杉山神社」を紹介するコンテンツです。

生麦「杉山神社」は横浜で初詣の穴場スポット

日本人の生活で、切っても切り離せないものの1つが「神道」。
現在でも、地域によって神道が由来である伝統文化や祭事が数多く行われています。
初詣 夏祭り 七五三 冠婚葬祭 など…

初詣

神社は、そんな日本独自の宗教である「神道」の神々が祀られている場所です。
今回は、横浜市鶴見区生麦にある神社「杉山神社」についてお伝えします。

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生麦「杉山神社」ってどんなところ?

まずは、実際に神社へ参拝しに行った雰囲気などについてご紹介いたします。
杉山神社は、横浜市鶴見区岸谷の「宮山」と呼ばれる高台に鎮座する神社です。
この杉山神社は「岸谷/生麦/大黒町」地域の総鎮守なのです。
「生麦 杉山神社」と呼ばれていますが、正確な住所としては「岸谷」となります。

神社に到着すると、大きく赤い文字で「新春初詣」と書かれた看板が出ていました。
大きく立派な鳥居の手前には「氏神様は其の土地の守り神です」という看板も出ています。
石段を上っていく途中には、比較的新しいアパートや一軒家が立ち並んでいました。

また、お祭りの残りと思われる提灯の電球部分のみが石段に沿って続いています。
長く続いている石段で、なかなか境内までたどり着きません。
石段が続く両端に生い茂る木々は、ジブリ映画の世界に入り込んだような雰囲気です。

約130段の長く続く石段を上っていくと、2つ目の鳥居が見えてきました。
上ってきた後ろを振り返ってみると、とても急な石段に足がすくんしまいます。
足の悪い方は、この長く急な石段を上ってくることをあまりおすすめしません。
ただ、神社が高台にあるため、晴れた日には木々の間から鶴見の景色を一望できました。

そのため、1つ目の鳥居横にある坂道を使ったルートから境内まで行きましょう。
坂道の勾配は急ですが、石段よりは楽に境内まで上れますよ。
ちなみに、坂道の途中には「法政大学国際高校」があるため、学生さんとすれ違いました。

石段の頂上にある「杉山神社」と書かれた鳥居まで来ました。
鳥居の前には、とてもユニークで個性的な狛犬がお出迎えしています。
狛犬といえば犬ですが、ここは「ゴリラ」と呼ばれており、見るだけで笑顔になれますね。
なお、裏門には立派で迫力ある狛犬がいるため、こちらも一緒に見てみてください。

そんな印象的な狛犬を通り過ぎ、境内の左側にあるのが「手水舎」です。
参拝のためにお清めを済ませると、向かいには「杉山神社保育園」園舎があります。
この保育園は、2019年に閉園したため、現在は誰もいない状態です。
かつては、保育園の子どもたちが境内である園庭を楽しそうに駆け回っていました。
しかし、閉園して人がいなくなった園舎は、静かで昼間に行っても少し暗い雰囲気です。

それでは、参拝のために本殿へ行ってみましょう。
ここは本殿と拝殿が同じとなっており、木造の本殿と緑の屋根が歴史を感じますね。
行った際は本殿の扉が閉まっていたため、左扉に空いた小さな小窓からお賽銭を済ませます。

中を覗いてみると両端に提灯と簾があり、その奥に黄金色に輝く祭壇が見えました。
初詣の際には、ここでたくさんの方々がお祓いをして頂いてるのを見ます。
人のいない本殿横には「祝七五三詣り」という旗も出ていました。

本殿右奥には、平和を願う祖霊社と「終戦五十周年記念慰霊碑」が静かに佇んでいるのです。
本殿左側は、赤い屋根の立派な神楽殿(旧社殿)がありました。
こちらも、本殿と同時に木造でできているため、歴史を感じますね。

すぐ近くには、赤い小さな鳥居の伏見稲荷末社と道念稲荷末社もありました。
こちらもあわせて参拝した後に左側を見ると、大きな小屋があります。
2つの稲荷がある横に、一際目立つ文字で「神輿舎」と書かれていました。

杉山神社では、祭礼日の毎年8月第1土曜/日曜になると、夏祭りが開催されるのです。
お祭り当日は朝8時半になると、この「神輿舎」から神輿を宮出ししされます。
地域の方々が約130段もある石段を使い、息を合わせながら神輿を下ろしていくのです。

神輿は、国道15号線沿い「岸谷・生麦・大黒・鶴見中央」を1日かけて練り歩きます。
オレンジ色の法被を着て神輿を担ぐ姿は、地元民にとって欠かせない夏の風物詩です。
鶴見中央は、毎年お正月に開催される「箱根駅伝」鶴見中継所付近で折り返します。

生麦駅前商店街2
箱根駅伝記念像「明日へ走る」
箱根駅伝(鶴見中継所付近)

50人以上の大人が入れ替わりながら、途中の休憩所では食事が振る舞われるのです。
折り返して帰ってくると、旧東海道の生麦魚河岸通りを通り、午後5時に神社へ戻ります。
地域の方々が大切にしているお祭りは、神社の長い歴史を守るための伝統行事なのです。

生麦魚河岸通り
生麦魚河岸通り

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生麦「杉山神社」の由緒と歴史

それでは、杉山神社の由緒と歴史についてお伝えいたします。
由緒と歴史については、境内の案内板へ記載されていました。
神社としての歴史は古く、1574年(安土桃山時代)にさかのぼります。

当社の設立は古くて判りませんが、
天正2年(1574)に当村に
設立されたと伝えられており元禄16年※万延元年に再建されるとあり
現社殿は昭和12年に着工し14年に竣工した。
手鉢水盤に享保9年
石造鳥居に天明元年に
の彫刻が在る。
高い石段は生麦沖に沈んだ石を村人たちが引き上げ神社の階段を作る。明治10年に完成。

「総鎮守 杉山神社」案内板 より

これによると、創立は古くてわかりませんが、1574年に生麦村に設立されました。
手水舎は1724年、鳥居は1786年、石段は1877年に完成したと記されています。
現在も存在する社殿を含めた、その他の建物は1939年以降に新築されました。
昔は、神社がある丘のあたりまで一面が海だったと思われます。
杉山神社にある長く急な石段は、当時の村人たちが沖に沈む石を運んで作ったのです。
これが人力で作られたものだと思うと、相当大変だったと思います。

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生麦「杉山神社」の御祭神・ご利益・御朱印について

ここからは、杉山神社の御祭神・ご利益・御朱印についてお伝えします。
神社の案内板によると、御祭神は「日本武尊(やまとたけるのみこと)」です。

御祭神 日本武尊(やまとたけるのみこと)

御祭神は第十二代景行天皇の皇子として生まれ終生この国の統一と民の安泰の為につくされ尊を賛える歌に、
「蝦夷、熊襲しずめ給えし皇王子のたけきいさおは千代にかがやく」の如くであります。

「総鎮守 杉山神社」案内板 より

ご利益は「交通安全/家内安全/厄除け/合格祈願/商売繫盛」などあります。
本殿左側には絵馬掛けもあり、丑の絵馬に参拝した方々の願い事が書かれていました。
この時は、そこまで多くありませんでしたが、お正月にはたくさんの絵馬が並びます。

ちなみに、絵馬掛け目の前にある広い場所では毎年、初詣のお焚き上げが行われるのです。
地元民の私も毎年、境内広場に掘られる大きな穴へお守りやお札などを投げ入れています。
初詣の参拝した方が本殿で引け、おみくじを結ぶ「おみくじ結び所」もありました。
なお、御朱印は宮司さんが境内にいないことが多いため、取り扱っていないそうです。

横浜市はなぜ「杉山神社」が多いのか?

ここまでに「杉山神社」のことをあえて「生麦 杉山神社」と表記していました。
その理由は、横浜市内と周辺地域にお住いの方なら、分かるのではないでしょうか。

杉山神社は、横浜市内でも
1800年代の始め
杉山神社は70数社ありました。現在「杉山**」として宗教法人登録されている神社は44社、その内横浜市内には35社あります。その差分約30社は明治以降に他の神社と合併したか、或いは社名を変更したものと考えられます。
杉山神社の名前が初めて歴史上にあらわれるのは平安時代です。『続日本後記』

「杉山神社考」保土ケ谷 郷土史 – 神明社HP

杉山神社として宗教法人登録されているのが44社、そのうち横浜市内に35社もあります。
(※「杉山社/杉山明神/椙山神社」なども含む)

戸部杉山神社(横浜市西区)

そのため、ハマっ子からすれば「杉山神社」という社名をよく目にするわけです。
しかし、杉山神社の歴史が長いため「なぜ横浜市に杉山神社が多いのか?」という理由はいまだに分かっていません。
明治時代以降に他の神社と合併、社名を変更したものを含めれば約70社になります。
横浜市内最古の神社である鶴見区の「鶴見神社」も、もともとは「杉山神社」なのです。

鶴見神社

このような理由から「最も古い最初の杉山神社」がどこなのか、いまだに分かりません。
なお「杉山神社」という名前が初めて歴史書物に記載されたのは「続日本後記」でした。
ちなみに、杉山神社で異なる御祭神もどこが始まりなのか、不明となっています。
「杉山神社の多い理由」を調べてみましたが、その歴史は古く、謎の多い神社ですね。

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生麦「杉山神社」への行き方とは?アクセスについて

それでは、杉山神社までの行き方と交通アクセスについてお伝えします。
生麦「杉山神社」は、電車/バス/車で行くことができます。

[電車で行く場合]

  • 京急線「生麦駅」から徒歩5分

京急線「生麦駅」の改札を出ると、すぐに二手へ分かれます。
神社へ行くには、改札口右側の「西口」出口です。

駅改札口から続く歩道橋を道なりに奥までまっすぐ進み、階段を降ります。
すぐに「岸谷商栄会」という約40mの商店街が広がっていました。
この商店街を抜け、コンビニを左折して50mほど行った場所に神社入口が見えてきます。

[バスで行く場合]

  • 横浜市営バス「安養寺前」で下車(徒歩1分)

「安養寺前」バス停は、神社近くのコンビニ前です。
なお、バス停のある道路は2車線で通行量が多くなっています。
車のスピードが出ていて危ないと感じることが何度かあったため、気を付けましょう。

そして、車での参拝についてです。
境内横に駐車場はありますが、駐車台数に限りがあります。
また、坂道は車同士すれ違えないほど狭いため、交通機関での参拝がおすすめです。

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初詣や七五三は生麦「杉山神社」で参拝しよう!

最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで、横浜市鶴見区生麦にある「杉山神社」についてお伝えしました。
生麦「杉山神社」は、安土桃山時代から続く歴史ある神社です。
この歴史は、毎年開催される夏祭りなどによって後世に受け継がれていくのでしょう。
そんな生麦「杉山神社」へ訪れ、境内を散策することで歴史に想いを馳せてみませんか。
いつもとは違った、横浜観光を楽しめるかもしれません。

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