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ハマの台所 横浜中央卸売市場ってどんなところ?
「ハマの台所」と呼ばれ、ハマっ子の食を支えている「横浜中央卸売市場」。
市場内には卸売店舗や飲食街があり、一般の方も開放日なら自由に利用可能です。
「低価格で新鮮な食材を味わえる」ため、横浜の穴場グルメスポットとなっています。
ここでは「横浜中央卸売市場」の魅力や見どころを紹介するコンテンツです。
目次
みなさんは、横浜で新鮮な魚を購入できる穴場なおすすめスポットをご存知でしょうか?
あまり知られていませんが、実は横浜にも「横浜中央卸売市場」という市場があるのです。
しかし、ここは大きな市場にも関わらず、ハマっ子にもあまり知られていないません。
そのため、限られた地元民のみが訪れる穴場スポットとなっています。
市場内には、卸売店舗や食堂が集まる飲食街があり、市場関係者で毎日賑わう場所です。
「入っても大丈夫なの?」と思う外観ですが、開放日なら一般の方も自由に利用できます。
「横浜中央卸売市場はどんなところ?」「何が購入できる?」「営業時間とアクセスは?」
今回は、そんなハマの台所「横浜中央卸売市場」の気になる内容についてお伝えします。
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横浜中央卸売市場は、神奈川区山内町の海側「山内埠頭」に位置しています。
この「横浜市中央卸売市場」という名称も正式には「横浜中央卸売市場本場」です。
おもに「水産物」「青果」「鶏肉」「鶏卵」などを取り扱っていました。
敷地面積は115,843㎡と広大で、水産仲卸棟の店舗数は60以上あります。
競り場以外にも「水産物部/青果部/冷蔵庫部/配送センター」などがありました。
建物は、遠くから見えるかまぼこのような緑の半円型屋根と横浜市のマークが目印です。
水産物部と青果部の建物は、道路を挟んで2つに分かれているのが特徴となっています。
日本食が世界的に人気なのは、魚料理の「鮮度」が高く、美味しいことも理由の1つです。
日本の魚市場は「新鮮」で「安い」海鮮を「数多く」取り揃えられていることが魅力です。
以前までの魚市場は、料理人や仲卸業者などのプロが買い付けを行うための場所でした。
しかし、現在は全国各地で一般客も気軽に商品を購入できるようになったのです。
そのため、スーパーに出回らない新鮮な海鮮が一般家庭で食べられるようになりました。
日本でも特に有名な市場といえば「築地市場」や「豊洲市場」といったところでしょうか。
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それでは、横浜中央卸売市場の歴史についてお伝えします。
この横浜中央卸売市場は、1931年に現在の場所で開場しました。
開場当時は、国内で3番目・東日本では初となる中央卸売市場だったのです。
大正12年3月の中央卸売市場法(旧法)の制定に伴い、横浜市は、市民の日常生活に欠くことのできない生鮮食料品等の安定供給と公正な取引の推進を目的として、直ちに建設の準備に着手しました。直後の同年9月に発生した関東大震災により一時計画を中止しましたが、本市震災復興事業の一環として再び計画され、昭和2年1月から4年の歳月をかけて建設し、業務を開始しました。
「市場の歴史」横浜中央卸売市場 – 横浜市
戦後、人口の急激な増加を背景とした取扱量の増加に伴い、施設の拡充整備を順次進めてきましたが、施設の老朽化、狭隘化が進行したため、市場機能の一層の充実を図るために抜本的な再整備を計画し、水産棟・関連棟は昭和61年9月に、
青果棟は平成4年3月に建替えが完了し、以降、全国でも有数の市場として市民に安全・安心な生鮮食料品を供給する役割を担っています。
その後、「横浜市中央卸売市場の再編・機能強化に関する基本方針」に基づき、平成27年4月に南部市場の青果部・水産物部を本場に統合するとともに、市場機能強化の一環として水産棟を外気遮断・温度管理型施設に改修整備し、平成28年4月に供用を開始しました。
しかし、これまでに関東大震災や老朽化などで建て替えを何度か行ってきました。
また、この他にもあった「南部市場(金沢区)」は中央卸売市場が廃止されたのです。
そして、横浜中央卸売市場も青果部と水産部も本場として1つに統合されました。
そのため、現在は市内の中央卸売市場がここだけとなっています。
市場の入口には「昭和40年代の市場の様子」と書かれた、モノクロ写真も飾られていました。
今から100年以上前の大正時代に開場したことからも、歴史ある市場なのが分かりますね。
そもそも、横浜中央卸売市場は「市場関係者」以外も入ることができるのでしょうか?
結論から言うと、入れます。
しかし、通常であれば仲買人登録をしていない一般の方は入ることができません。
では、いつであれば市場内に入って商品を購入できるのでしょうか?
それは、毎月第1/第3土曜日に開催される水産仲卸棟の「一般開放日」に購入できます。
しかし、基本的に不定期で開催するため、事前に開催が決まっているわけではありません。
月末になると、横浜市のホームページより翌月の「一般開放日」が発表されます。
必ず行きたい方は、あらかじめスケジュールを確認しておきましょう。
市場自体の営業時間は、午前8時〜午前11時となっています。
ただし「一般開放日」であっても平日と変わりなく、プロの方々は仕入れに訪れます。
そのため、基本的に市場内は「仕事をしている方が優先」です。
くれぐれも仕事をされている方の邪魔にならないよう、気を付けてくださいね。
また、朝早い時間は仕入れのトラックなどで混雑します。
市場内には、トラック・フォークリフト・ターレなどが走っていて歩道もありません。
そのため、初めて訪れる方やゆっくり楽しみたい方は、遅い時間が歩きやすいと思います。
市場の方に聞いた話によると、8時以降になれば市場内も空いてくるとのことでした。
私は9時前に到着して市場を散策しましたが、10時頃になると魚が少なくなります。
他にも、シャッターを下ろして店仕舞いをはじめるお店もいくつか見られました。
お目当ての商品やたくさんお買い物したい場合は、早めに来場することをおすすめします。
そして、飲食街の営業時間は、8時〜14時です。
開店時間は水産仲卸棟と同時刻ですが、食事できることから少し長めに営業しています。
ただし、ランチが終了する昼過ぎの14時頃には多くの飲食店が営業を終了していました。
営業時間は店舗によって異なるため、行きたい店舗があれば必ず確認して訪れましょう。
ピーク時間帯は、水産仲卸棟でお買い物を終えた方々が食事をする大体11時〜12時です。
ゆっくり食事したいという方は、早めの10時〜11時頃に行くのがおすすめですよ。
ただ、日曜・祝日は市場が休業で飲食街も定休日のため、注意しましょう。
ここからは実際に「横浜中央卸売市場」を散策しながら、見どころをご紹介いたします。
と言っても、入れると知りながら実際に訪れると「利用には入場証が必要です」の看板が。
さらに、市場に漂う独特な雰囲気もあって「本当に入っていいの?」と不安になります。
私も1人で行った際には戸惑ってしまい、入口で少しの間立ち止まってしまいました。
ただ、入口で声をかければそのまま入ることができますよ。
まずは、水産物部にある「水産仲卸棟」へ行ってみます。
入口を通ると、左側に大きな案内図がありました。
初めて訪れる方でお目当ての店舗があれば、配置を覚えてまわると便利かもしれません。
また、出川哲朗さんの「ハマからチョクでドン 横浜市場直送店」ポスターもありました。
市場内にお手洗いはなく、入口にある比較的新しいこの場所だけのため、ご注意ください。
この入口を抜けると、市場が広がっていました。
磯の香りが漂う市場内には、約60店舗のお店が立ち並んでいます。
まず最初に目に入ってきたのは、ガラス越しに魚をカットしている加工場です。
その日に仕入れた新鮮な魚が発泡スチロールに入り、店頭にずらりと陳列されていました。
散策しているたびに「いらっしゃい〜」という、威勢の良い掛け声が聞こえてきます。
また、お客さんが値段の付いていない商品を指差し「これいくら?」とも聞いていました。
なお、ここでは魚だけではなく、サザエや赤貝などの貝類も販売されています。
手書きの値札で産地を見ると、魚や貝などの水産物は全国の海から集まっていました。
しかし、横須賀市や平塚市などの県内から入ってくる「地場魚」が特に人気だそうです。
この「地場魚」は、近郊から生きたまま運ばれるため、とても鮮度が高くなっています。
よく見ると、スーパーではほとんど見かけない珍しい魚までありました。
「○○は早めに食べてね」など、食べ方や食べごろはお店の方が詳しく教えてくれます。
店頭のショーケースには、大きなマグロの半身が冷蔵されていました。
一般的なスーパーでは、比較的赤身やトロの部分をよく見かけます。
しかし、市場では尾の身・目玉など普段あまり見かけないような部位も売られていました。
手書きで書かれ、その場でパック詰めされた商品は、どこか懐かしい雰囲気ですね。
市場内は構造がほとんど同じため、どこにどんな店舗があるか分からなくなってきます。
そして、10時頃に覗いて見ると、マグロはほとんどがなくなっていました。
希少な部位ほど人気のため、購入したい方は見かけたらすぐに購入しましょう。
他にも、干物・明太子・かまぼこ・さつま揚げなどの加工品も販売されていましたよ。
ただ、現在はイベントもコロナ感染防止対策として開催を中止していました。
そのため、魚河岸汁の販売やマグロの解体ショーなどがなかったため、少し寂しいです。
市場を散策していると、氷が落ちていたり、フォークリフトが目の前を走っていきます。
濡れていたりと足元が悪いため、歩きやすい靴で訪れるのがおすすめです。
店舗の上を見上げると、勢いのあるカッコイイ大漁旗が掲げられています。
そして、普段は見られない業務用冷蔵庫や魚をカットする業務用機械までありました。
働く方のタオル・上着・長靴などが置いてあって「さすが市場」迫力満点の雰囲気です。
魚河岸処には、無料の氷が用意されていました。
また、青果販売エリアの近くには宅急便コーナーが設置され、持ち帰りにも便利ですね。
市場といえば「安くて美味しい新鮮な海の幸」を使用したグルメも楽しみの1つですよね。
この横浜中央卸売市場の飲食街は、知る人ぞ知る「穴場グルメスポット」となっています。
入口の門から右側に進んだところに「飲食街」と書かれた棟がありました。
ここでは、多くの食堂がところ狭しと立ち並び、名前の通り「飲食街」となっています。
全7店舗ありましたが、どの店舗も大体8時〜14時でランチタイムのみと短い営業です。
水産仲卸棟でお買い物をしてお腹が空いたら、飲食街でお昼ご飯を食べるのもアリですね。
海鮮丼 寿司 ラーメン 天ぷら 煮魚 など…
日替わりランチや定食セットなど、お得に色々食べられるようになっていました。
また、その日の仕入れ状況によってメニューも若干の変更もあるらしいです。
飲食街を散策中、手書きで「本日揚げ物はできません」と書かれた貼り紙も発見しました。
店内を覗くと、どこも10席程度でとても狭くなっていました。
お店によって少しずつメニューなども異なるため、どこへ入ろうか迷ってしまいますね。
なかでも、訪れた際に特に人気で並んでいたのが入口からすぐの「カネセイ」です。
こちらは、海鮮丼や魚料理の定食がメインのお店となっていました。
訪れた際は誰も並んでいませんでしたが、混雑日は1時間ほど並ぶこともあるそうです。
お店の方によると「一般開放日」は土曜日なので、特に混雑するとのことでした。
平日の9~11時頃であれば比較的待ち時間が少なく、狙い目だそうです。
「遅めの朝食」や「早めの昼食」として、ピーク時間帯を避けて行くのもアリですね。
1番人気のメニューは、豚汁と白米がセットになった「お刺身舟盛り定食」です。
旬のお刺身が10種類以上盛られ、さまざまな海の幸を味わうことができます。
実は、この飲食街は市場に入れない「一般開放日」以外でも訪れることができます。
そのため、地域の方々は市場にランチだけ食べに来ることもあるそうです。
しかし、日曜・祝日は市場が休業で飲食街も定休日となっているため、ご注意ください。
さらに、飲食街の奥を進むと通路の両側に飲食ではない店舗が並んでいました。
飲食街がある関連棟の西側半分は、海産物・漬物・乾物などの商店が軒を連ねています。
ここは、プロの方々も市場を利用した際、ついでに立ち寄り購入するお店です。
そのため、本格的な業務用の調理道具・洗剤・店頭用ポップなども置いてありました。
一般的なお店では見られない商品を扱っているため、見ているだけでワクワクしますね。
市場内ではありませんが、「万代橋」を渡った左側に「蔦金商店」が見えてきます。
遠くから見える看板は、年季が入っていて歴史を感じますね。
このお店は、お笑い芸人・出川哲朗さんのご実家としてハマっ子には有名となっています。
現在、社長をされているのが出川哲朗さんの実のお兄さんです。
私が訪れた際にも「いらっしゃいませ~」と元気よく対応していただきました。
お顔がそっくりで、テレビ番組にもたくさん出演されているため、すぐに分かります。
こちらの店舗は、オンラインショップでは購入できない限定商品も取り扱っていました。
そのため、近くを訪れた際にはぜひとも足を運んでみてくださいね。
また、ご実家というだけあって出川哲朗さんの等身大パネルやサインなどもありました。
近くには伝説のチーズケーキと呼ばれる「ガトーよこはま」の本店もあります。
「よこはまチーズケーキ」の大きな写真看板が目印となっていました。
ここの店舗は工場直売店舗のため、全品が「10%割引」で購入できるのも魅力です。
店前のボードにも「本店は工場直送のため全品10%引き」との記載がありました。
店内にもイートインスペースがあり、購入して商品をその場で食べることもできます。
ただ、賞味期限は翌日と短くて直売商品は売り切れ次第終了なので注意が必要です。
お時間のある方は、こちらもあわせて行ってみてください。
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それでは「横浜中央卸売市場」までの行き方と交通アクセスについてお伝えします。
横浜中央卸売市場へは「電車」「バス」「車」で行くことができます。
電車なら、京急線「神奈川駅」から訪れるのがおすすめです。
駅の改札口を出ると、すぐに「青木橋」という橋がありますが、この橋は渡りません。
正面には、大きな文字で「宮前商店街」と書かれているのが見えてきました。
商店街には飲食店・スーパー・クリニックがあり、この旧東海道沿いをまっすぐ進みます。
まっすぐ進むと国道15号線が見えてくるため、この通りを左に曲がります。
50mほど進むと、横浜市立幸ケ谷小学校に描かれたカラフルな壁画が見えてきました。
横浜中央卸売市場へ行くには、7車線もある国道15号線を渡らなければいけません。
この巨大な壁面が目印となっており、壁面の横にある歩道橋を渡りましょう。
歩道橋を渡ったら、そのまま「中央市場通り」をまっすぐ進みます。
通りを道なりに進んでいくと、海と「万代橋」が見えてきました。
橋を渡った右側に「横浜中央卸売市場本場 水産部」の入口が見えてくるため、到着です。
京急 神奈川駅近くの青木橋はお寺が多い街 – 横浜で暮らそう
バスで訪れる場合は、横浜市営バス「中央市場前」バス停で下車します。
バスは横浜中央卸売市場の入口に停車するため、歩いて約1分となっていました。
横浜駅東口バスターミナルなら「コットンハーバー行き」に乗車するのがおすすめです。
乗車時間は約20分なので「歩くのはちょっと…」という方は、利用してみてくださいね。
横浜中央卸売市場には、無料の駐車場があるため、車で来場することもできます。
駐車場は水産物部にあり、目印は大きな文字の「買出人駐車場入口」です。
駐車場周辺には、市場関係者のトラックが走っているのを多く見かけました。
実際、一般車は入りにくい雰囲気ですが、そのまま駐車して大丈夫です。
広々とした駐車場には屋根もあるため、雨の日でも濡れないのは嬉しいですね。
ただ、駐車スペースは数に限りがあるため、車で訪れる際はご注意ください。
そして、水産物部と青果部の建物は、道路を挟んで2つに分かれています。
食堂はどちらにもありますが、駐車場は「水産物部」にしかありませんでした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで、神奈川区にある「横浜中央卸売市場」の魅力をお伝えしました。
少しでも参考になれば幸いです。
間近で市場の香りや雰囲気を感じられるのは、楽しいですね。
東京の「豊洲市場」は、市場をガラス越しでしか見られないため、貴重な体験ができます。
また、無料の駐車場が利用できることや食堂はリーズナブルで美味しいことも魅力の1つ。横浜中央卸売市場はこれまで多くの試練を乗り越え、建物や体制が進化し続けてきました。
それと同時に「ハマの台所」として、市民の生活を支え続けてきたのです。
200年後も歴史ある貴重な施設は、ぜひとも後世に残していきたいですね。
新鮮な魚を堪能しに「横浜中央卸売市場」へ足を運んでみてはいかがでしょうか。