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六浦駅ってどんなところ?住みやすさは?
みなさんは、京急逗子線「六浦駅」をご存知ですか?
「周辺エリアに住んでても知らない」「聞いたことはあっても行ったことがない」
ここでは「六浦駅」の見どころや住みやすさを紹介するコンテンツです。
横浜「六浦」で住まいをお探しの皆さんは是非ご検討ください。
目次
横浜市の南端に位置する海と山に囲まれた自然豊かな「金沢区」。
金沢区は、かつて武蔵国久良岐郡に属し、江戸湾の港町として栄えていました。
そんな金沢区には、横浜市を走っているのに京急逗子線「六浦駅」と付く駅があるのです。
ちなみに、六浦駅のある金沢区は逗子市と横須賀市に隣接しています。
駅周辺には、閑静な住宅街と地元の方々が利用する商店街が広がっているのです。
「どんなところ?」「交通アクセスは?」「住みやすさはどんな感じ?」
今回は、横浜市金沢区にある京急逗子線「六浦駅」の歴史と魅力についてお伝えします。
まずは「六浦駅」となった地名の由来や歴史についてお伝えします。
駅名は、周辺地域一帯が「六浦」と呼ばれていたことから由来しているのです。
では、そもそも「六浦」という地名は、いつから存在していたのでしょうか?
六浦の歴史は、今から約1000年前となる鎌倉時代までさかのばります。
六浦道(鎌倉道)
中世の代表的古道である六浦道は、文字通り、鎌倉と六浦津とを結ぶ道でした。
元来この道は鎌倉幕府の軍事的、経済的意図の基に開かれた幹線道路です。
金沢は、地理的・軍事的に鎌倉の搦手に位置しており、房総半島との交通の要・外港として重要な拠点でした。六浦湊と朝夷奈切通
金沢の古道と朝夷奈切通 – 横浜市金沢区
仁治ニ年(1241)に工事が着手されたと記録がある朝夷奈切通は、鎌倉幕府が六浦と鎌倉を結ぶ幹線道路(六浦道)を開通させるために、山を切り開いてつくられた道路です。
金沢・六浦は風浪を防ぐ良港だったため、鎌倉幕府の外港として、物流の拠点となりました。
六浦や釜利谷で製塩が始まると、朝夷奈切通を通って、鎌倉に塩が運ばれました。
古くは六浦荘という荘園が設置され、国衙(こくが)や郡衙の支配を受けない私有地であった。六浦・金沢・釜利谷・富岡が4郷から成り立っていた。
六浦 – Wikipedia
そもそも「六浦荘」とは、どんな場所だったのでしょうか?
これは、鎌倉時代に北条実時の邸宅だったそうです。
北条氏の一族(金沢北条氏)の北条実時が武蔵国久良岐郡六浦荘金沢(現、横浜市金沢区)の邸宅
金沢文庫ってどんなところ?- 神奈川県立 金沢文庫
歴史的には、すでにこの鎌倉時代ごろから「六浦」と呼ばれていたとの記載がありました。
そのため、少なくとも鎌倉時代から「六浦」という地名が存在していたことが分かります。
ただ、呼び方や文字の表記は現在と少し異なっていたようです。
現在は「六浦(むつうら)」となっていますが、以前は「むつら」と呼ばれていました。
また、現存する歴史的な文書には「六面/六連」と記載されることもあったのです。
次に「六浦駅」の交通アクセスについてお伝えします。
京急線「横浜駅」まで約24分、「品川駅」まで約42分です。
そして、停車駅は「特急/エアポート急行/普通」となっています。
そのため「羽田空港第3ターミナル駅」までは約54分と1時間もかからないのです。
突然の出張で飛行機を利用することになった場合でも、安心ですね。
一方、京急全線の駅でも利用者が極めて少なく、街の高齢者とともに年々減少しています。
「六浦駅」は、1日の平均乗降者数が約1万3,000人。(2020年度)
ちなみに、隣の「金沢八景駅」は1日平均乗車者数が4万人です。(2020年度)
同じ金沢区の京急線「金沢八景駅」と比べても、周辺に学校や商業施設がありません。
このような理由も、乗降者数が少ない理由の1つです。
そして「六浦駅」を通る路線は京急逗子線のみのため、この駅での乗り換えはできません。
隣の京急線「金沢八景駅」まで行けば、横浜シーサイドラインに乗り換えられます。
六浦荘団地の向こうには、逗子方面へ行ける「横浜横須賀道路」が見えるのです。
駅東口の六浦駅南公園前には、京急バス「六浦駅」バス停がありました。
ここから、六浦駅周辺の住宅街を循環するバスが走っています。
また、駅東口には2つの駐輪場があり、収容台数は200台以上ととても広かったです。
私が訪れた際にも、多くの自転車が駐輪されていました。
「六浦駅」では、日本で唯一の「三線軌条渡り」というレールが使われているのです。
では、この「三線軌条渡り」とは、何なのでしょうか?
そもそも、日本の鉄道には2種類の線路幅が存在しています。
一般的には「標準軌(1435mm幅)」と「狭軌(1067mm幅)」です(一部例外あり)。
ちなみに、新幹線や京急線は「標準軌」、JR在来線や東急線は「狭軌」となっています。
「金沢文庫駅〜金沢八景駅」間に総合車両製作所(旧東急車両)の車両工場があるのです。
ここでは、京急だけでなく全国のJR線や私鉄各線の車両が作られています。
京急の車両は、工場に引き込んである標準軌を線路へそのまま京急線内に送り出せます。
しかし、JR線などの狭軌用の車両はそのまま送り出すことができないのです。
そこで「六浦駅」の2本レールの内側にもう1本レールを敷いた「三線軌条渡り」です。
これによって、JR線に分岐するエリアだけ狭軌の車両も走れるようになっています。
工場から「金沢八景駅〜六浦駅」経由の「神武寺駅」手前までがこの該当エリアなのです。そのため、京急の線路にJRの車両が走行する珍しい光景が見られることもあります。
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駅の自動改札機は、3つだけのコンパクトかつ簡素な改札口です。
そして出口は、東口と西口の2つありました。
ここからは、京急逗子線「六浦駅」を散策しつつ、ご紹介いたします。
訪れる際は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まずは、駅の改札口を抜けて西口から散策してみます。
東口には、コンビニ・飲食店・花屋・美容室・パン屋などが立ち並んでいました。
昔ながらの店舗も多く、看板の文字や外観の塗装から歴史を感じますね。
一方で、比較的新しい店舗もあって新旧が混ざっている感じでした。
西口を出るとすぐに、金沢八景と逗子を結ぶ県道が通っているのです。
道幅が狭い上に歩道がないのにも関わらず、交通量はとても多くなっています。
とても歩きづらく、駅周辺を撮影している際にも危ないと感じる時がありました。
訪れる際は、まわりの車に注意しながら歩きましょう。
次に、駅東口の「南川商店街」周辺を散策します。
改札口のある階段を降りていくと、たくさんの自転車が止まった駐輪場が見えてきました。
また、コンビニ・公園・飲食店・塾などがあり、比較的新しい建物が多い印象です。
右側を行くと、住宅街に囲まれた趣ある雰囲気の「南川商店街」が見えてきました。
商店街は2方向に分かれ、手前にある桜並木は不思議な場所に立っています。
肉屋・魚屋・コインランドリー・電気店・衣料品店・飲食店・整骨院などがあります。
多くの店舗が店舗兼住宅となっているため、布団が干してあって生活感を感じました。
そして、交通量は西口に比べて少なく、踏切があります。
踏切の向こう側に六浦荘団地があり、京急逗子線の電車が走る形となっているのです。
踏切前には、ダンボールが店頭にずらっと並んだ昭和レトロな八百屋がありました。
このようなどこか懐かしい店舗も変わらず残ってほしいですね。
最後に「六浦駅」周辺で住むことになったら、気になる住み心地をお伝えします。
まずは「六浦駅」がある金沢区の治安を市内18区と比較してみましょう。
横浜市の統計によると、金沢区の人口は第11位となっています。(2022年5月1日現在)
そこで「横浜市人口/世帯数」の上位10区を犯罪発生率から比較しました。
(犯罪発生率=犯罪数÷人口×1,000)
順位 | 区分 | 犯罪発生率(%) | 人口(人) |
1位 | 青葉区 | 0.52 | 310,848 |
2位 | 都筑区 | 0.55 | 214,620 |
3位 | 旭区 | 0.56 | 242,935 |
4位 | 戸塚区 | 0.59 | 283,713 |
5位 | 金沢区 | 0.68 | 196,879 |
6位 | 神奈川区 | 0.69 | 248,945 |
7位 | 鶴見区 | 0.69 | 295,921 |
8位 | 保土ケ谷区 | 0.71 | 206,411 |
9位 | 南区 | 0.74 | 197,842 |
10位 | 港北区 | 0.80 | 361,077 |
11位 | 港南区 | 0.91 | 214,810 |
金沢区は歴史を大切にしている一方で、時代とともに変容してきました。
これは今も大切にされているため、区外からの人々も柔軟に受け入れる気質があるのです。
駅周辺は、比較的戸建て住宅が多い閑静な住宅街が広がっていました。
一方で、ファミリー向けの新たな分譲マンションなども増えているのです。
全体的に坂道が多く、緑が生い茂っているのも特徴となっています。
そして、小学校・商店街・飲食店・スーパー・郵便局・公園などが揃っています。
「ヨークマート」や「イオン」「クリエイト」などがあり、普段のお買い物に便利ですね。
また、駅北側には「六浦地区センター」がありました。
図書コーナー・プレイルーム・体育室・自習室・音楽室・料理室などが完備されています。
ちなみに、図書コーナーには約9,000冊もの蔵書があり、子育て世代には嬉しい施設です。
町内会館も地区ごとにあり、お祭りなどのイベントではよく利用されています。
駅周辺には、西口と東口の駅周辺だけでも2つの公園がありました。
大人から子どもまで楽しめる施設があり、とても住みやすい街となっています。
普段から地元の方々に見守られている下町ならではの雰囲気も安心できますね。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで、金沢区にある京急逗子線「六浦駅」の魅力や歴史をお伝えしました。
少しでも参考になれば幸いです。
「六浦駅」周辺は、生活に必要な施設が充実しているため、買い物が便利です。
また、小学校や地区センターなど子育て世代のファミリーも住みやすい街となっています。
鎌倉時代から歴史のある街として、古い建物や下町の雰囲気が残っているのも魅力の1つ。
「六浦駅」を訪れ、これからの住まいに「六浦」を選択肢の1つとして考えてみませんか。