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横浜 鶴見区の生麦神明公園は蛇のお祭りが由来

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横浜 鶴見区の生麦神明公園は蛇のお祭りが由来
生麦神明公園は、横浜市鶴見区にある通称「へび公園」。
へび公園と言われるようになった理由には、地元の「蛇も蚊も祭り」が由来しています。
毎年6月開催のお祭り「蛇も蚊も祭り」は、横浜市無形民俗文化財に指定されるほど。
ここでは、横浜市鶴見区にある「生麦神明公園」を紹介するコンテンツです。

横浜 鶴見区の生麦神明公園は蛇のお祭りが由来

横浜市の最東端に位置する海と山に囲まれた自然豊かな「鶴見区」。
そんな鶴見区生麦1丁目の住宅街にひっそりと佇むのが「生麦神明公園」です。
この生麦神明公園は、生麦神明社と公園が一緒になっているのも特徴の1つ。
そして、公園は横浜市無形民俗文化財である「蛇も蚊も祭り」と深い関わりがあります。
「生麦神明公園ってどんなところ?」「蛇も蚊も祭りってなに?」「アクセスは?」
今回は、横浜市鶴見区にある「生麦神明公園」をお伝えします。

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生麦神明公園ってどんなところ?

まずは、生麦神明公園についてご紹介します。
そもそも「生麦神明公園」を何と読むか分かりますか?
正解は「なまむぎしんめいこうえん」です。
そんな生麦神明公園は、鶴見区生麦1丁目原地区の住宅街にある公園。
特に遊具がたくさんある大きな公園といった雰囲気ではなく、一般的な「街区公園」です。

住区基幹公園>街区公園

もっぱら街区に居住する者の利用に供することを目的とする公園で誘致距離250mの範囲内で1箇所当たり面積0.25haを標準として配置する。

公園とみどり 都市公園の種類「都市公園」- 国土交通省

そのため、私が訪れた際も公園には地元の方がいらっしゃいました。
公園周辺は住宅街に囲まれているため、誰か遊んでいれば近隣の方にも聞こえそうですね。
公園入口には「生麦神明公園」と書かれた銘板ネームプレートがあります。
中へ入ると、右側にすべり台やジャングルジムが一体となったカラフルな遊具があります。
園内の注意書きには、このような記載がありました。
「ロケット花火やバクチクなど大きな音の出る花火はやめましょう」
みんなが気持ち良く利用するために、園内ではルールを守って楽しく遊びましょう。

また、ベンチが6つほどあったほか「原西自治会」と書かれた防災倉庫もありました。
全体を見渡すと、樹齢の長そうな木々がたくさんあり、緑が多いことも特徴の1つ。
その中でも、園内中央にあった立派な木には「ソメイヨシノ」と書かれています。
樹齢は分からなかったものの、春になれば園内が桜で満開になること間違いなしですね。

その奥にあるのが、園内に隣接している神社「生麦神明社」です。
この神社は、園内と隣接するように造営されているため、参道や手水舎などはありません。
御祭神は天照大御神で、本殿の神明造からも知ることができますね。
ちなみに「神明造」とは、女神を祀る神社にある高床式倉庫から発展した神社建築様式の1つ。
大きな特徴としては、屋根の部分にある大きな千木が平行となっていることです。

鳥居・本殿・稲荷社・石塔などがあり、夏になると境内で盆踊りも開催されます。
生麦神明社の創建年は不明ですが、新編武蔵風土記稿に記載のある由緒正しい神社です。
このようなことから、江戸時代末期には創建されていたことがわかります。
おそらく「生麦神明公園」という名前は、この生麦明神社から来ているのでしょう。

そして、なんと言っても園内で一番目を引くのは砂場を囲っている「蛇のオブジェ」です。
蛇のオブジェがあることから、地元の方々は生麦神明公園を「へび公園」と呼んでいます。
では、なぜ生き物の「蛇」なのでしょうか?
これは、生麦に古くから伝わる重要なお祭り「蛇も蚊も祭り」と関係しているのです。

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「蛇も蚊も祭り」ってどんなお祭り?

ここからは、生麦神明公園と深い関わりがある「蛇も蚊も祭り」についてお伝えします。
そもそも「蛇も蚊も祭り」とは、どのようなお祭りなのでしょうか?

今から400年前以上も昔、生麦は半農半漁の村であった。
「家の軒先にショウブとモチ草、カヤをおけば大蛇はこない」と
生麦村では、カヤを材料にして大蛇をつくり、自分の家の周りを子どもに担がせて回り、仏の供養として柏餅を作り、子どもたちに振る舞った。最初に行われたのが6月6日だったので、大蛇の徳を長く伝えようと、悪疫退散、豊年大漁を祈願して6月6日を吉例の行事と定めて村中を回り、日照り、雨降り、悪魔退散、豊年大漁を願ってきた。
また、稲荷のお告げで、「疫病退散と海上安全そして子どもの成長を祈るためにカヤで大蛇をつくり、氏子中を回した」という話も伝えられ
蛇体を大勢の子どもたちが担いで
「蛇も蚊も出たけ〜日よりの雨け〜ワッショイワッショイ」とかけ声をかけてまわり
祭りを盛り上げている。

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蛇も蚊も祭りは、毎年6月の第1日曜日に開催される伝統的なお祭りです。
子どもから大人まで、全部で3体ある重い大蛇を担ぎながら町内を練り歩きます。
この蛇も蚊も祭りは、江戸時代に起こったとされる言い伝えから始まっているのです。
その後、約350年前の明治時代に町内で疫病が流行りました。
そのため、大蛇を担いで町内を練り歩いたところ、翌年から疫病がなくなったのです。
それから、願いを込めた伝統行事として、現在まで地域の方々へ受け継がれてきました。
もともと、半農半漁だった生麦ならではのお祭りで「豊年大漁/海上安全」を祈願します。
他にも「子どもの成長祈願/疫病退散」などの願いも込められていました。
お祭りの開催される6月初旬は、旧暦で「端午の節句」に近い日となっているのです。
このようなこともあり、町内の子どもたちも大勢参加します。

「蛇も蚊も」という名前の由来は諸説あり、お囃子の掛け声とともに町内を練り歩きます。
「蛇も蚊も出たけ、日よりの雨け、わっしょいわっしょい」
「ヘビもカも出て行ったかい、晴天の中、雨は降ったかい」という意味だそうです。
疫病をもたらす悪霊を払う「蛇」と、疫病の媒介となる「蚊」から来ています。
これらを退散させることで、町内の悪い気を払う意味が込められていると考えられます。
また、作物への恵みの雨を願って雨乞いの意味も込められているそうです。

蛇も蚊も祭りで巡る「道念稲荷神社」

多くの大人が3体ある大蛇を祭りの終盤でぶつけ合う儀式は、圧巻。
ちなみに、生麦小学校では学びの一環として蛇も蚊も祭りの大蛇が展示されています。
地元民であった私は、小学生時代にこの大蛇を見て育ったと言っても過言ではありません。
現在では、このような歴史から1992年に「横浜市無形民俗文化財」へ指定されました。
生麦神明公園は、蛇も蚊も祭りの儀式が行われる重要な神社のため、この名前なのです。
園内にあるカラフルな蛇のオブジェや「へび公園」と呼ばれている理由も納得できますね。

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生麦神明公園への交通アクセスについて

それでは、生麦神明公園への行き方と交通アクセスについてお伝えします。
アクセスは、京急線「生麦駅」から歩いて約4分です。
駅からすぐの商店街「生麦駅前通り商友会」を通って訪れるのがおすすめ。

生麦駅前1
生麦駅前商店街2

「生麦駅前通り商友会」と書かれたアーチを抜け、国道15線の信号を直進します。
住宅街に囲まれていて「こんなところに公園なんてあるの?」と感じるかもしれません。
そんな1つ目の路地を左折して100mほど進むと、生麦明神公園に到着です。

ちなみに、横浜市営バス「明神前」バス停で下車しても行けます。
バス停は、国道15号線と大黒ふ頭へ続く産業道路に面している場所です。
交通量が多い横断歩道を渡り、すぐ右側の脇道へ入って行きます。
住宅街の中をまっすぐ進むと、生麦神明社の鳥居が見えてきました。

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横浜 鶴見区にある公園「生麦神明公園」へ行こう!

最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで、鶴見区にある「生麦神明公園」についてお伝えしました。
少しでも参考になれば幸いです。
生麦神明公園は、横浜市無形民俗文化財に指定されている「蛇も蚊も祭り」との関わり
江戸時代末期から現存する由緒正しい神社など…
生麦神明公園は、知れば知るほど興味深い公園となっています。
このように公園の見どころ・名前の由来・歴史を知れば、より楽しめるかもしれません。
生麦へ訪れたら、住宅と緑に囲まれた生麦神明公園へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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