横浜で住む、暮らす、楽しむ 横浜に住む暮らすの情報

鶴見駅周辺の不思議なパブリックアートと彫刻群

この記事を読むのに必要な時間は約 18 分20秒です。

鶴見駅周辺の不思議なパブリックアートと彫刻群
鶴見駅周辺には、不思議な形をしたパブリックアートやオブジェが点在しています。
この彫刻群は「第3回横浜彫刻展〜YOKOHAMA BIENNALE’93〜」の入賞作品11点。
ここでは、JR鶴見駅東口〜潮鶴橋に設置されたアート作品を紹介するコンテンツです。

鶴見駅周辺の不思議なパブリックアートと彫刻群

横浜市の最東端に位置する海と山に囲まれた自然豊かな「鶴見区」。
そんな鶴見区で、最も乗降客数が多い駅の1つがJR京浜東北線「鶴見駅」です。
鶴見駅周辺は人の流れが多く、駅ビルや歴史ある建物まで混在する場所となっています。
なかでも、一際目立つパブリックアートが数多く点在していることをご存知ですか?
10作品が、JR鶴見駅東口〜潮鶴橋の街並みへ溶け込むように設置されていました。
作者や作風が違う上に「どこから眺めるのが正しいのか?」と感じる不思議な作品ばかり。
普段から鶴見駅周辺を歩いている方でも作品に気付かず、素通りしているかもしれません。
「どんな経緯でいつから設置されている?」「作者と作品名は?」「設置場所はどこ?」
今回は、そんなJR鶴見駅周辺に設置されているアート作品についてお伝えします。

横浜彫刻展「YOKOHAMA BIENNALE」とは?

そもそも「横浜彫刻展〜YOKOHAMA BIENNALE〜」がどんなイベントなのでしょうか?
「横浜彫刻展〜YOKOHAMA BIENNALE~」は、1989年に始まったコンクールです。
イベントは、彫刻と景観のコミュニケーションがテーマとなっていました。
BIENNALE(ビエンナーレ)とは、イタリア語で「2年に1回開かれる美術展覧会」の意味。
優秀作品が横浜市内各地に設置される野外彫刻のコンクールとなります。
横浜市は、文化的な景観を創造し地域のシンボルにしようという狙いがあったそうです。
街に設置する芸術作品を一般公募することは全国的にも珍しく、新たな試みでした。

港南台駅「第2回横浜彫刻展〜YOKOHAMA BIENNALE’91〜」作品
港南台駅「第2回横浜彫刻展〜YOKOHAMA BIENNALE’91〜」作品

最大の特徴は、コンクールごとに設置場所をあらかじめ設定して作品が募集されること。
その街の雰囲気や環境に合った彫刻を基準に、審査員が選ぶ方式となります。
1989年の第1回目は、港北区の太田緑道付近にある緑豊かな場所。
2年後となる1991年の第2回目は、港南区の港南台駅〜本郷台駅へ続く線路沿いでした。
そして、1993年の第3回目が鶴見区の鶴見駅〜潮鶴橋です。
1996年の第4回目は栄区のいたち川となっており、このコンクールは4回で終了しました。
現在は3年に1回の意味「TRIENNALE(トリエンナーレ)」として開催されているのです。

港南台に住んでみよう 暮らしてみよう – 横浜で暮らそう

アート作品は鶴見区のどこにある?

ここからは、実際に街を散策しながら作品の見どころをエリア別でご紹介します。
エリアは「JR鶴見駅東口/ベルロードつるみ/鶴見区役所と潮鶴橋/鶴見図書館」です。
ちなみに受賞した11作品のうち1作品が撤去され、現在は全10作品となっていました。
訪れる際は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

JR鶴見駅東口エリア

まず1か所目のエリアは「鶴見駅東口」です。
ここのエリアにある作品は、全部で2つとなります。

「三つの扉」斎藤史門 作

1つ目の作品は、鶴見駅東口バスターミナルにある「三つの扉(斎藤史門)」。
黒色が遠くからでも目立ち、大きくて高さもある作品。
3か所だけ空洞になっていますが、これが扉なのでしょうか?
引きで見ると、正方形の整った四角いオブジェが階段のように積まれているのです。
近くで見ると、所々が錆びていて設置から20年以上の歴史を感じました。
オブジェの左下には「YOKOHAMA BIENNALE’93」とともに作品の記載があります。
これなら、初めて見た方でも看板から作品について知ることができますね。
1番近いバスターミナルから全体を見ると、大きすぎて作品の上部が屋根で見えてません。
齋藤史門氏は、他にも多くの大型彫刻を生み出している神奈川県出身の造形作家。
ちなみに、この作品は入賞した中で唯一「大賞」を受賞しているのです。

「風 きらめく」北裕行 作

2つ目の作品は、駅から鶴見川方面へ約200mの場所にある「風 きらめく(北裕行)」。
こちらは1つ目の作品と異なって高さはあるものの、遠くから目立つわけではありません。
街の景観へ溶け込むオブジェは、全体が銀色で先端はランダムに赤色となっています。
そのため、これまでの作品と異なってどこかスタイリッシュで洗練された雰囲気です。
上部へ無数に付いている半円形のパイプが風の吹くたびに回っています。
電気を使って動かしているのではなく、風車と同じ要領の風力だけで動いていました。
作品名の通り、風で動くパイプが太陽に当たって回転しながらキラキラと煌めいています。

鶴見駅は西口と東口では異なる顔を持つ – 横浜で暮らそう

ベルロードつるみ(鶴見銀座商店街)エリア

2か所目のエリアは、ベルロードつるみ(鶴見銀座商店街)です。
ここのエリアにある作品も、2つありました。

「とろける立方体-9302」児玉康兵 作

3つ目の作品は、ベルロードつるみにある「とろける立方体-9302(児玉康兵)」。
約80店舗が立ち並ぶベルロードつるみは、京急線方面へ歩くと見える商店街となります。
地元民から「ベルロード」の愛称で呼ばれていますが、正式名は「鶴見銀座商店街」です。
京急線「京急鶴見駅」から歩いて約1分で、江戸時代に栄えた旧東海道沿いにあります。
毎月第4土曜日は、フリーマーケット/抽選会/ワゴンセールなどを開催する商店街です。
作品は商店街入口にあるアーチの近くに設置されているため、これが目印。
足元を見ると、タイルに埋め込まれたように看板がありました。
くすみが一切ない銀色のオブジェは、眺める人が鏡のように映っています。
作品名の通り、中央の細くなった部分で「とろけた」感じが表現されていました。
上部の立方体から液体のようなものが下に注がれ、下部に溜まっているようです。
そして、その液体が花崗岩の土台で包み込むように作られています。

「Family’93」中村節子 作

4つ目の作品は、ベルロードつるみにある「Family’93(中村節子)」。
商店街をさらに200mほど進むと、コンビニと「ホテルテトラ鶴見」前の歩道にあります。
ただし、作品に関する看板は見当たりません。
男女が並んで立っている上を見上げると、少し大きな男の子と小さな女の子がいました。
タイトル名の通り、これは父/母/兄/妹の家族を感じさせるほっこりとした作品。
よく見ると、お母さんのお腹には赤ちゃんもいるため、全員合わせると5人ですね。
お兄ちゃんはどこを見ているのか分かりませんでしたが、左斜め上を見ています。
こちらも、作品が所々錆びていて設置から20年以上の歴史を感じました。

鶴見でショッピングが便利なエリアはどこ? – 横浜で暮らそう

潮鶴橋エリア

そして3か所目のエリアは、潮鶴橋です。
このエリアには、最も多く4つの作品が密集していました。
潮鶴橋までは鶴見駅東口エリアから少し離れているため、さらに歩きましょう。
途中の大通りへ出ると、横断歩道がないので「鶴見いちご地下路」を通ります。
名前に「いちご」と付いていて可愛いですが、特に普通の地下通路と同じです。
こちらの地下通路はエレベーターもあるため、ベビーカーや自転車でも便利。

「何をしているの?」矢作隆一 作

5つ目の作品は、潮鶴橋近くの道路沿いにある「何をしているの?(矢作隆一)」。
周囲には街路樹や草花も生い茂っているため、オブジェが突然現れました。
高さは小学校低学年の子どもの身長ほどしかないため、これは子どもなのでしょうか?
道路を挟んだ反対側の歩道からは、後ろにある白い石が建っていてオブジェは見えません。
よく見ると、イースター島で有名なモアイ像の石像に似ていますね。
1つ1つ数えてみると、全部で21体並んでいました。
顔のない石像がたくさん並んでいるため、夜に通ると気味が悪くて少し怖いです。
「何をしているの?」と気になりますが、石像同士が話しているようにも見えます。

「億万年の骨の詩」寺田武弘 作

6つ目の作品は、鶴見川沿いの潮鶴橋水際緑道にある「億万年の骨の詩(寺田武弘)」。
角度によってはベンチやすべり台のようにも見えるため、子どもが遊んでいました。
周囲は、手入れが行き届いてない草木が伸びきって作品名が書かれた看板も見えません。
オブジェの後ろへ回ると本当のベンチがあり、約10羽のハトが日向ぼっこをしています。
座ると正面に鶴見川が見えるベンチは木陰になるため、休むのにちょうど良いかも。
作品名から分かるように、均等に彫られている波形で億万年の骨が表現されているのです。
無造作に置かれている様子からも、長い間放置されていたことが表現されていますね。
大きくて存在感のある作品は、億万年の骨というだけあってとても丈夫そう。

「循環源象-鉄- No.16」藤井浩一朗 作

7つ目の作品は、同じく潮鶴橋水際緑道にある「循環源象-鉄- No.16(藤井浩一朗)」。
「億万年の骨の詩」オブジェから約10m進んだ場所に塔のようなものが建っていました。
これは鉄を素材にした見上げるほど大きな作品で、高さが5mもあるそうです。
No.16と付くだけあって、これはシリーズ作品の1つとなっています。
「循環源象」とは、物事の循環と存在の根源を探求する試みがテーマのシリーズ作品。
作品の下部に樹木の年輪が見えるため、これは実際の樹木を切って作られたのでしょうか?
表面の肌質もザラザラしていて、周辺に生い茂っていた自然の草木と溶け込んでいました。
今にも、ジブリ映画に出てきそうな存在感のある作品ですね。

「ブッキラボー」窪田俊三 作

8つ目の作品は、潮鶴橋公園の中にある「ブッキラボー(窪田俊三)」。
作品は園内にあるため、入口を入ってすぐ右側に突然現れました。
大砲のようなこの作品は、遠くからでも目立っています。
大砲のように見える銀色の部分が「ブッキラ棒(ボー)」を表現しているようです。
棒の先はどこに向いているのか分かりませんが、土台の細部もしっかり作られていました。
草花が多く、緑が生い茂る中に建っていて作品名が書かれた看板は隠れて見えていません。

横浜 沖鶴地区「沖縄タウン」ってどんなところ? – 横浜で暮らそう

鶴見区役所と鶴見図書館エリア

最後の4か所目のエリアは、鶴見区役所と鶴見図書館です。
ここのエリアにあるのは全部で2つですが、どちらも離れた場所にありました。
ただし、作品が建物の目の前に設置されているため、探す際は見つけやすいと思います。

「大地の刻『風景の門』」横山徹 作

8つ目の作品は、鶴見区役所前にある「大地の刻『風景の門』(横山徹)」。
角度によって見え方が変化するこの作品は、重厚感のある石で作られていました。
作品名の通り、どっしりした門構えで風景と馴染むよう大地にしっかり建っています。
「大地の刻」もシリーズ作品となっており、鳥取県の「米子駅」に設置されているそう。
1つの作品でツルツルした面やザラザラした面など、さまざまな感触を感じられるのです。
作品名に門と付いていますが、中を通り抜けることはできません。
訪れた際は区役所へ自転車で来た方々の駐輪場となっていて、街と一体化していました。

「旅立ち」二口金一 作

最後10個目の作品は、鶴見図書館前にある「旅立ち(二口金一)」。
マントを羽織った人のような怪しい三角形が特徴的なフォルムの彫刻です。
3m70cmある作品全体はブロンズ像のため、遠くから目立つ大きさで目の部分だけ金色。
どちらの像も真ん中あたりから手のようなものが2つ出ていました。
石でできた台座に立っている左の像が右側に寄り、話しかけているようにも見えます。
横断歩道の向こうには道路が続いているため、これから旅立つ方向を見つめているのかも。
この2体の関係性は「旅人/家族/友人/恋人」なのでしょうか?
見た人の捉え方によって、2体の関係性や年齢など作品に対する想像が広がりそうですね。
いずれにしても真相は不明ですが、作品名から「別れ」を表現しているように見えます。

読書の秋 横浜「鶴見図書館」へ行こう – 横浜で暮らそう

1993年開催 鶴見区「第3回横浜彫刻展」の特徴

3回目の開催に鶴見区が選出された「横浜彫刻展〜YOKOHAMA BIENNALE’93〜」。
当時の応募数は、なんと295点あったそうです。
厳正な審査でその中から26点が選ばれ、そのうち11作品を鶴見区が買い取りました。
街の景観発展のため、1996年に発足されたのが鶴見区主宰の「鶴見まちかど発見塾」。
その後「鶴見まちかど発見塾」や鶴見区民有志から、11点が実際に街へ設置されました。
ここまで作品を1つずつ紹介しましたが、鶴見駅東口から潮鶴橋にかけて置かれています。
応募の際は作品に対する指定がなかったことから、大きさにも制限がありません。
そのため、彫刻家はデザインや大きさなどに関してインパクトのある作品を作りました。
鶴見区に設置された作品は大きいだけでなく、街の雰囲気に調和しているのが特徴です。
そして、どの作品ものびのびとした自由なデザインの現代彫刻となっています。

横浜はなぜオブジェやモニュメントが多いのか?

横浜の街では、あちこちに彫刻/オブジェ/モニュメント/銅像などを見かけます。
実際に、近くへ寄っても説明がない「何だこれ?」という作品も多いです。
これらを探しながら散策すると、作品以外に歴史を伝える記念碑が多くなっています。
また、横浜は「発祥の地」が多くあり、それを伝えるオブジェが多くなっているためです。
他にも、横浜市にゆかりのある作家や芸術家が多く関わっていることも理由の1つ。
特にみなとみらい地区のアート作品は、まちづくりの一環として設置されました。
そのため、美術館でなくても屋内外に設置されたアート作品を無料で鑑賞できます。

これ以外にも、横浜市文化振興事業の市政100周年を記念したものもあるのです。
「よこはま21世紀プラン」の一環として、彫刻作品を中心に設置されました。
取り決めとしては「魅力的な街づくり/文化的環境づくり」を目指すというもの。
身近にアートへ触れられる機会がたくさんあるため、子どもでも興味を持ちやすいですね。
アート作品があることで、観光地・横浜を「オシャレな街」にしているのかもしれません。

横浜の美術館でアートを楽しむ – 横浜で暮らそう

鶴見区を散策しながらアートなオブジェも楽しもう!

最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここまで、鶴見駅周辺にある不思議なオブジェと彫刻の作品10点をお伝えしました。
少しでも参考になれば幸いです。
街に設置されているアート作品は、メンテナンスがとても大変となっています。
価値のある作品も自治体管理が難しいという理由から、撤去されることも。
20年以上経過したこれらの作品は、落書きや壊されることなくキレイに残っています。
状態も良く、地元の方々から大切に保存されていることが伝わりました。
アート作品だからこそ、タイトルから作者の想いや意図を想像するのも楽しいですね。
第3回の横浜彫刻展「YOKOHAMA BIENNALE’93」受賞作品は、現代的で自由な所が魅力。
作品には、大きさ/高さ/デザイン/形/材質などの制限がありません。
そのため、のびのびとしていて作りたいものを作り、インパクトのある作品を作りました。
1つ1つがこだわられた作品はユニークで面白いため、大人から子どもまで楽しめます。
見た目はユニークなのにも関わらず、街の雰囲気に調和しているのが特徴です。
鶴見駅へ訪れた際は街を散策しつつ、パブリックアートを巡ってみてはいかがでしょうか。

【大募集】横浜の周辺情報 ここが知りたい!

横浜・相鉄沿線・周辺のここが知りたい!

アフィリエイトならイークリック
関連コンテンツ
Writer